せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

遺骨の保管と処分の方法

遺骨は四角形のプラスチック容器に入れられて近親者の元に戻されるが、紙箱やベルベットの袋、家族が既に購入していた骨壷に納められて渡される場合もある。火葬場の権限によって火葬が実行されたことを示す公的な証明書と、法律上必要な場合には、遺骨の処置についての許可証も添付されることになるが、許可証は遺骨とともに保管しておかなくてはならない。
遺骨は骨壷に納めても構わないが、山野や海に撒くこともでき、地面に埋めることも可能である。加えて、形式も場所もさまざまな各種の撒骨サービスが現れてきている。いくつか例を挙げると、ヘリウム風船や花火*1を用いるもの、ショットガンの弾丸に詰め射出するもの*2、飛行機からの散骨(ほとんどの管轄において違法とはされてない。たとえ法律で禁じたとしても実際取り締まるのが難しいからではあるが)などである。口紅ケース大の遺骨のサンプルを低地球軌道へと送り出すサービスもある。遺骨は何年もの間(永遠ではない)軌道上を周回し続け、やがて再び大気圏に突入することになる。別の会社では、遺骨の一部を人工ダイヤ製造装置でダイヤモンドへと生成するという。作り出されたダイヤモンドはカットと研磨が施された後に本物のダイヤモンドと同じように装身具に取り付けられ、家族のためのお守りとなる。遺骨を骨壷ごとコンクリートに封入して人工岩礁の一部に組み込んだり*3、塗料と混合して故人の肖像画を描いたりするサービス*4もある。アメリカの国立公園内では、特別な許可があれば遺骨の撒布をすることができるようになっているが、私有地であっても、土地の所有者の許可があれば撒骨は可能である。遺骨の一部を、専用のロケット、いわゆる“お守りペンダント(keepsake pendant)”に入れて保管することもある。遺骨は墓に納められることもある。多くの墓地では、家族が購入済みまたは既に納骨して使用している区画内であれば、追加の料金やチェックなしに遺骨の埋葬を行うことができる。
遺骸の処置については、故人の遺志ばかりでなく、彼らの文化や信仰も大きく影響してくるものである。家庭での撒骨や遺骨の保管を許している宗教もある。ローマカトリックのように、土葬もしくは埋葬を強く主張する教えも存在する。ヒンドゥー教では故人と最も近い血縁の男性(息子や孫など)が遺灰をインドの聖なるガンジス川へ、できれば聖都ハイデラバードで流すようにと定めている。シーク教徒やパンジャブ地方のヒンドゥー教徒の場合、遺骨はサトラジ川へ、大抵の場合Sri Harkiratpur*5から流すこととなる。日本と台湾では、火葬後残った遺骨は家族に渡され、納骨の儀式が埋葬前に営まれる(日本の葬式の項を参照)。

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*1:こーゆーの http://www.angels-flight.net/

*2:これがネットじゃなかなか見当たらない。「遺骨を拳銃の弾丸に詰め、キーホルダーやペンダントにする」っていう業者とか「猟師が友人にそのように遺言したという話を聞いたことがある」っていう噂話は見つかった

*3:こことか http://www.greatburialreef.com/ 「グレートバリアルリーフ」ってシャレかよ!と突っ込むのは不謹慎なのでしょうか。

*4:http://www.ashestoportraits.com/ (音付き)

*5:読みがどうしてもわからん。地名