せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

職場のおっさんがケータイ替えた

入社以来どうにもこうにも騒動を引き起こすおっさんだが普通な会社にいてそこそこの役職についていたらたぶんそれなりにちやほやされる奴なのだと思った。要するに人を動かす才能にはたけているので人の上に立つのに向いているかわりに下の者がやるような雑事がとことんできない。うちの会社で当初求めていた人間像とは対極にあるので本人も周りもそれなりにギリギリといらん苦労をしているのだが、適材適所というのはほんとうに大切なことだよね。と思った。
話がしょっぱなからずれたのだがそんなおっさんがケータイ替えた。でもかねて迷ったデジカメみたいなケータイにはせず、職場でこっそりワンセグ見るのに最適な機種にしたらしい。で、それとは別にカメラにも興味を示していて、デジタル一眼レフってどうなの?とかこっちに聞いてくる。道楽三昧なんだからとりあえずいいやつ一個買ってみればいいのに。とけしかけると珍しく「でも、こういうのって奥が深いからキリなさそうじゃん」なんて殊勝なことを言い出す。確かにキリはなさそうだけど、撮るのが楽しくなったら絶対このおっさん際限なく金つぎ込むじゃん。そのほうが周りも茶のみ話のネタが増えて楽しいわけだからこの際ポチッといかせたいじゃん。でもなぜか、いろいろすすめても、ネットの片隅で話題になった機種とかを紹介してみても、妙にためらってるのさ。
興味のあるものにはガンガン突っ込むおっさんなのにおかしいなと思って聞いてみたら、デジカメがなぜ欲しくなったのかっつうその理由が、自分が楽しみたいからじゃなくて、子供のためだっていうのよ。最近出席した結婚式で、新郎新婦の昔の写真をつないでスライドショーにして映写してるのを見て、ああそういえばおれは、子供の運動会に行ってもカメラを持っていったためしがないじゃないか、子供が大きくなって将来結婚式をあげるときに、こういう風に招待客の皆さんにお見せするべき画を、親としておれはもっと残してやるべきなんじゃないか、なんて考えたらしいのだ。普段はおねいちゃんやプロ野球やF1の話ばっかりしてるのに、ふと親の顔を見せるからこういうとき何て言ってからかってやったらいいのかわからなくって、困るよおっさん。
そのおっさん、なんで今まで子供のイベントを撮影することがなかったのかというと、運動会でもなんでも、親がみんな示し合わせたようにカメラやビデオを手に持って、応援もそこそこにファインダーを覗き込んでいる光景にものすごく違和感を覚えるからだ、なんて言ってた。今まさに目の前を走っている子供を全力で応援すべきだと思うんだよおれは、なんて言ってて、それは俺も同意。でもその光景を記録するのに夢中、っていう親の心情もそれはそれでわかるなあ。子供としてはどうなんだろな実際。とにかく撮って欲しいかな。それとも持ってきたカメラなんてほったらかしで「いけー!走れー!」とはしゃいでくれるほうがうれしいかな。なんて、いつも寝巻きみたいなジャージ姿で観戦に訪れる父親が恥ずかしくてあるときそれをとがめたばっかりにケンカになってそれ以来一度も見に来てもらえなかった俺はしみじみと考えるのでありました。