- 作者: 遠山美都男
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 新書
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中臣鎌足がクーデターを計画するに当たって最初軽皇子のところへ行ってみたんだけども、軽皇子の軽薄とさえいえる喜びようにかえって興ざめした、なんてエピソードが日本書紀や藤原氏の家伝にも記されているそうな。これは法隆寺本でも見かけたな。家伝だと「興ざめ」どころではなくはっきりと彼を見限った、というような記述らしい。しかし結局クーデターの後なんやかやで即位したのは軽皇子であったというところが面白い。このあたりの流れをどう読むか、というのが人それぞれなんだな、きっと。「鎌足にこんな評価をされた程度の人物であるから、クーデターの後に王位についても結局有能な中大兄皇子や鎌足の傀儡となってしまうのであろう」という印象を受ける人もいれば「いやわざわざこんな風に書くなんて不自然だ、第一中臣氏と軽皇子には前々からつながりがあったのだ」と色々根拠を探し出していく人もいるのだな。