- 作者: 関裕二
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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先日の本では、クーデターそのものを仕組んだのは次に即位する軽王子(孝徳天皇)だったという説が展開されていた。前後の状況から、乙巳の変を起こして一番得をするのは誰だ、中大兄皇子だったのか?いやそうじゃないだろう、と孝徳天皇傀儡説を否定していく流れだと俺は読んでいて感じたのだが、だからといって軽王子が仕組んだという証拠が出てくるわけではなくそのあたりは素人の俺にとっては説として弱いんじゃないかと思った。ただ、日本書紀において中大兄皇子が必要以上に陰謀まみれの人間だと強調されていることについて、なにがしかの思惑がはたらいたのであろうという考え方、これはとても興味深く賛同できた。
さて、その本のあとにこちら。軽王子のことには言及が少ないが、蘇我氏および蘇我系王族が目指していた政治、そしてその後政権を握った王たちについて、内政だけでなく対外政策などに着目していく。ウメハラ法隆寺本では「蘇我の内輪での争いを中臣鎌足が利用した」というように書かれていたと思うが、その鎌足の正体について、この本の著者は驚くような仮説を提示する。
先日いただいたコメントの通り、前の本が「中大兄皇子は悪くない!」であるならばこちらは「蘇我氏は悪くない!」だった。本の最後には飛鳥の地に対する著者の思いがセンチメンタルに書きつけられていて印象に残る。
で、今手元にはあと一冊大化の改新関連本があるので、これを読み終えたら法隆寺本の該当部分を再読したいなあ。