外出時に花粉を吸い込まないようにと買った、50枚入りお徳用使い捨て不織布マスク、今日買い物に出るときに着けていこうと一枚出したら、その一枚のマスクを構成する、何枚か重ねられた不織布の層の間に、ぺったんこになった蚊がはさまっていた。もちろん生きてはいない。マスクの構造上どう考えてもユーザーのもとに渡ったあとの混入物ではない、というか製造工程においてうっかり入り込まない限りはこんな挟まり方しないと思うんだ。これが食べ物への混入だったら、あるいは気付かずにマスクを装着してしまってから発見された不具合であったら、おそらく嫌悪感が圧倒的にまさり、鳥肌をぞわぞわ立たせながら涙目になって日記を書くはめになったのかもしれないけども、そこまで感情を動かされるにいたらなかった自分は、こういうこともあるんだな、などと思い、ひととおり写真を撮ってから、そのマスクをごみ箱に捨てた。
