そういえば最近空を飛ぶ夢を見なくなった。ちょっと寂しい気もするが、よくよく考えると理由は高いところがこの頃割と苦手になったからなんじゃないかと思い当たった。なんかこう、昔と比べ、安全が保証されているはずの構造物への信頼感が自分から失われている。東京タワーだったかマリンタワーだったか忘れたけど、足元が強化ガラスになっていて真下が見える仕組み、あれ怖くて乗れなくなったもんね。自分が乗った時に限ってどこか壊れて運悪く落ちるんじゃないかとか考えてしまう。電車のドアによりかかったりすることも少なくなったので、悪いことではないと思うのだけど、色々と疑い深くなることによって逆に自分で自分の心の平穏を危うくしてんじゃないの、とか思うこともある。
高所うんぬんはおいといて、夢といえば、お経を読む夢も見なくなった。不気味な場所に行って妖怪とか亡霊とかに襲われそうになって、般若心経を唱えて身を守ったりそれらを退治したりするという夢なんだが、何か必殺技を出すだけで怖いことから逃れられるというような発想が、さすがにこの歳になると無意識の中からも消えてなくなってしまうのかもしれない。
