
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 1996/08
- メディア: 単行本
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図書館で借りた本なんだけど、かなりあちこちに鉛筆で線が引いてあった。もちろん借りた本にこういうことをするというのはまったくのマナー違反で、通常ならば腹を立ててよいことではあるのだが、ある意味すがるようにしてこの本にたどりついた人のやったことならば俺はまったく気にしない。というよりもむしろ、よろよろとよろける銀色の線を目にして、あああなたもそうなのね、と大いに安堵したのだった。言語を使わずして他人の著書に残したその人の足跡を自分はいま目にしている。
それにしても、元ひきこもりのこの著者の人、すごいたたかったんやん。つええなあ。なんか手を合わせたくなってしまうよ。おっさん、小町通りの森永ラブのスピーカー音もやめさせたのか。わらた。でも森永ラブ自体がもうなくなっちゃったよ。諸行無常。
この本はやっぱ自分で買って手元に置こうとおもた。
以下メモ
日本中に氾濫する轟音に苦痛を感じない大多数の人々は幸せである。しかし、苦痛を感じる少数の人々は、三重に苦痛を感じなければならない。まず、第一に音そのものによる苦痛だが、第二にさらに大きな苦痛として、大多数が苦痛を感じないときに苦痛だと訴えることそのことが、不愉快だとして排除されてゆくことによる苦痛である。そして、第三に、苦痛を訴えることによって――すでに述べたように――なんらかの仕方で自分が他人を傷つけざるをえないことによる苦痛である。
おまけ
よくよく読んでみたら自分の知ってる人が出てきてた。世の中どこでつながってるかわからんもんだ。わろた。