せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

米国ソーシキ事情と見せかけて雑感とかいろいろ

いつもの休日と同じくブクマをぺけぺけやろうとニュースを探していたら、なぜか行き着いたLAタイムズのウェブサイトにこんな記事があった。ちょっと興味がわいたので、日記ネタ。このご時世、アメリカでもお金のかからない葬式が注目を集めているらしいのだ。

つい先日もニュースサイトだかはてブだかで見かけたけれど、日本でも時々報じられるよね。お金が無くて葬式が出せないっていうんで近親者の遺体を庭に埋めたりどこかへ捨てたりしたのがばれて逮捕されてしまうというケース。俺はまだ葬式を出したことがないので、かかる時間や手間やお金がどれだけなのかということにさほどリアリティーがないけど、ネットで業者のページを見たりするだけでも、あーなんだかんだでかかるよなあ、出せない人もいるよな、とわかる。わかっちゃいるけど三途の河を渡るにも、お金は要るんだなあ、となんだかもやもやした気分になる。
俺が死んでも別に葬式イラネ、お金がもし万が一いっぱいあってもイラネ、と思うのだけど、これっておかしいんだろか。世間的にはこういうものなんだからと割り切ったり納得したり当然だと思ったりして葬式を出したり参列したりしているんだろうかな。あーでも俺、知人の葬儀には出たい、出なくちゃと思うし、親が死んだら葬式あげてやりたい、やらなくちゃと普通に思うや。残された側としては何かやらんとしめしがつかない、なんていう感情があるのかもしれん。でも残していく側としてはどーでもいいと思ってるんだな俺。非常に自分勝手です。
こんなQ&Aがあった。

kurobekoriderっていう人の回答が俺的には一番参考になった。
少なくとも火葬とかは手続きからきっちりやらないと法に触れるわけだ。葬式イラネ、金がもったいないからやるな、って思う人はちゃんとめんどくさくないように火葬までの段取りを事細かに説明して遺言といっしょに遺しておかないとアレだなきっと。近しい人に迷惑がかかる。
葬儀業者も公営斎場を利用した極力シンプルなプランを用意していたりするから、できればそういうところを探しておく方が、結局見送る準備をする側の負担が少なくてよさげ。

さすがに骨壷や棺まで家族で用意するのは難しかろうて。
 
話がずれまくったじゃないか。俺はアメリカの葬式の話をしようと思ったんだよ。密葬とか家族葬というよりは、自家葬ってニュアンスなのかな。自分ちの敷地に埋葬してもらう例が出ているけど、日本でもあるよね、お寺とか共同墓地じゃなくて、個人の土地の一角に墓石が建ってるの。俺んちの周辺にはあまり見当たらないけど、時々遠出をするとき、田園地帯を通り抜ける列車の窓から外をぼーっと見てると結構目に入る。すっかり稲刈りが終わった後の乾いた田んぼの一隅に、黒い四角い石柱がぽこんと立って、背後に並んだ卒塔婆と一緒に傾いた金色の冬の陽射しを浴びて輝いてるの。なんかおじいちゃんがひなたぼっこしてるみたい。かわいい。

日本語にしにくいけど訳してみた。

元記事は上記の

なんか訳がおかしいとこがあったらすいません。というか間違いアンド勘違いアンドかっこつけて日本語をひねりすぎて原語のニュアンスぶち壊しをぶっこいて訳と元記事の内容が一致しない可能性がありますので何卒ご注意ください。一部勝手に日本語をでっち上げてます。あと最初の部分は新聞の「人―ひと」とかいうかんじの連載記事の文章みたいな雰囲気で書き始めたんだけど最後は疲れていい加減になった。それと、日本の新聞を読んでるってかんじにしたかったので段落と段落の間隔に適宜変化をつけた。誤訳のご指摘は歓迎します。あと勝手に翻訳っつか改変すな!ってお叱りが元記事の人とかから来たら謝る。

新しい葬儀のかたち―「助葬婦」とは

苦しい金銭事情を抱えた多くの家庭が葬儀を―埋葬をも、自宅で行っている。専門家たちが、書類の手続など詳細にわたって彼らをサポートしてくれるというのだ。
 
(ワシントン)化粧用品一式、ボール紙製の柩、遺体の冷却と運搬についての手引書。Jerrigrace Lyons氏が仕事へ赴く時に持ち運ぶ基本の仕事道具だ。
Lyons氏は「助葬婦*1」だ。愛する人を見送る家族たちの手助けをする専門家。従来の葬儀業界にはなかった、まだまだ知る人の少ない分野の職業だ。100年に一度という最悪の経済危機にあえぐアメリカで、彼女の職務は需要を増している。
かつてはその業務の脱伝統的側面が評価されてきた。だが現在は、旧来の葬儀代を工面できずにやってくる依頼人が多数なのだという。通常の葬儀では支払い金額が10,000ドルを超えることも珍しくないのだ。
「人々は、故人の意向にできるだけ沿ったものを望んでいます」Lyons氏は、満員となったワークショップが開かれたハワイからの電話で語った。「ただし、お金を払える範囲内で、ということです」
 
カリフォルニア州セバストポル市に叙任された聖職者でもあるLyons氏は、Final Passages*2という名のNPOを立ち上げた。ワークショップでは、家庭での遺体の処置法や、既存の墓地以外で行う埋葬について教育を行っている。
家庭葬を行う際には死亡証明書や遺体搬送許可書が必要となるが、Lyons氏は法令を守って書類手続きを行うよう、家族を手引きしている。また一方では遺族を感情面で支え、カウンセリングも行う。こうした氏のサービスは500ドルから1,500ドルで利用できる。
「助葬婦として、私は故人をこの世界から次の世界へと案内するお手伝いをしています」。Lyons氏は語った。「(死は)誕生と同じ、ひとつの閾なんです。魂がやって来ること、出て行くということですね。私たちは入ってきて、やがて出て行く。同じひとつの戸口なのです」
業務への関心が急速に高まっている、と語る助葬婦は、彼女一人ではない。
 
「好況期のあいだも、不況になっても、葬儀料金はずーっと高いまま変わらないんですよ」。Funeral Consumers Alliance*3のJoshua Slocum事務局長は語る。「この経済状況でドル価格の再評価が迫られています。そして、通貨の価値だけでなく、購入するものの価値だって見直さなくてはならないんです」
 
ウィスコンシン州北西部に住むHoward Kopeckyさん(66)は、今年末期がんを宣告された。その時Howardさんは、家族にあまりお金のかかる葬式はさせたくない、と決意した。
「私たち、考えたんです。『子供や孫たちに残していってやれるお金を、わざわざ全部地面の下へ持っていくことはないじゃないか?』って」。こう話すのはHowardさんの妻、Phyllisさんだ。夫ががんの告知を受けたのは、ちょうど彼女が介護施設での仕事を失った時のことだった。
具体的にどうすればいいのかは、わからずにいた。そんなある日、Howardさんは助葬婦の一人、Lucy Basler氏の新聞広告に目を留めた。「ホッとしました。他にも我々みたいな人がいるんだって」
Lyons氏のワークショップで訓練を受けていたBasler氏は、家族葬の段取りをこと細かにサポートし、夫妻を助けた。
Howardさんが亡くなると、Phyllisさんと子供たちは告別式を行った。松の木でできた棺に遺体を納めると、法に従い墓地として予め指定しておいた家族の所有地に埋葬する。近隣の野原から運んだ大きな石を、墓石として置いた。
費用は、1,000ドルもかからなかった。
 
経済危機の影響で、お金の掛からない方法を選ばざるを得ない人もいる。Cremation Association of North America*4によると、昨年は全国の死者数のうちおよそ35%が火葬となっており、2002年の約28%から増加している*5
防腐剤(600ドル前後)や簡易型外棺*6(400〜1200ドル)もいらない「樹木葬*7」も、急激に浸透しつつある。環境に良いだけでなく費用も安く抑えられるのでは、と考えられているためだ。
「人々は金銭面の制約に直面しています。また、よりエコロジカルな埋葬が認識されてきた*8ことも大きい。この二点によって、人の死にまつわるシステムが、実際に形を変えつつあるのです」。バーモント大学で教授をつとめる悲嘆教育専門家、D.Brookes Cowan氏はこう説明する。
 
従来通りの葬儀を選んだ人たちも、出費を抑える方法を模索している。手作りの棺を用意する、生花を持ち寄る、遺体に防腐処理を施さず、家族による最後の対面の後、棺の蓋は完全に閉じて葬儀を行う―Slocum氏は最近、このようなコストカットの方法を遺族たちにアドバイスしているのだという。
「死について語るときに、お金の話をしちゃいけない。世間的にはタブーです」Slocum氏は語る。「でもね、私たちは、賢い消費者を自認している割に、いつか必ず向き合わなくてはならない重要な事柄については、全く知らなかったりするものなんです」

力尽きたので続きはまた明日。
↓続き。(12/28追記)

人々の多くが法知識を持っていない、とSlocum氏や他の葬礼利用者保護団体*9は指摘している。葬式に葬儀業者の介入が必要と定めている州は7つのみ。ほとんど全ての州で、少なくとも24時間は遺体を防腐処理なしで自宅に安置しておくことができる。
 
今年、Joanne Grefsrudさんの夫Vernさんは、アジソン病*10により亡くなった。Joanneさんは大量のドライアイスを使い、亡き夫を3日と半日の間、ウィスコンシン州にある自宅のマッサージ台*11に安置した。
Grefsurd一家はVernさんの遺体を洗い清めた後、Vernさんの友人のために自宅で告別式を開いた。
「ご近所の方たちが訪ねてきてくださったのだけど、びっくりされちゃったんです。きちんとした安置所を用意しなかったのかって」とGrefsurdさん。「でもね、私、気持ちが落ち着いたんです。だって、毛布にくるまって椅子に座って、夫のすぐ横に居られたんですよ。色々話しかけたりもして。本当に、心が安らぎました」
ところが一家は、受け入れ可能な火葬場探しに、色々と苦労することとなってしまった。
「検視官*12からは、郡外の火葬場でないと駄目だと言われました」Grefsrudさんは続ける。「協力してくれる人なんかいないよ、って」。
一家は松の木の棺に納めたVernさんの遺体を軽トラックの荷台に乗せ、100マイルの道のりを走った。遺体を受け入れ、荼毘に付してくれる施設が見つかった。料金は800ドルほど。
先の助葬婦、Basler氏もこう告白する。「家庭葬は誰にでも行えるものではありません。とても手間がかかるものですし、受け入れがたいと思ってしまう人もいます」。
 
一ヶ月前。感謝祭を間近に控えた頃、Elizabeth Sky Nogotonaさん(61)はLyons氏をサンタローザの自宅に招き、自らの子供達や老父とともに家庭葬の可否について話し合った。両親の葬式を普通にあげてやれるような余裕はない。母親は現在も老人ホームに入所している。それでも、皆が正しいと考えたことならば、なんでも喜んでやろうと決めていた。
話し合いは終わった。一家は家庭葬と火葬を受け入れることにしたのだ。
「出費も少ないし」Nogotonaさんの父、Michael J. Borgeさんは語った。「内々で、ひっそりと済ませられるしね*13

*1:すいません勝手に単語作りました。goo辞書がmidwife→助産婦って言ったんだい!

*2:あえて訳してみると「さいごのみち」とか、平仮名を使ってみたくなる

*3:http://www.jnews.com/domestic/2004/901.htmlの「《米国での葬儀分野におけるネット活用の流れ》」で挙げられているような消費者団体の名称なんだけど、葬儀業者利用者団体とかどうにも収まりのわるい訳しか浮かばない・・・ちなみにサイトはここhttp://www.funerals.org/

*4:「北米火葬協会」でいいんか?http://www.cremationassociation.org/

*5:http://www.cremationassociation.org/html/about.html てか、この数字の増え方は今回の大不況と直接関係あるかなあ?このレポートを引っ張ってくるのってちょっとちがくね?とニュース記事への疑問が。

*6:すいません勝手に訳語作りました。grave linerといって、土葬の際に棺がつぶれないように保護する外箱みたいなものらしい。http://askmajor.com/images/images/L009%20%20Wise%20Steel%20Grave%20Liner.jpg参照。これの上位にburial vaultというのがあって、より丈夫で気密性が高くてお値段も張るみたい

*7:原文:"green" buriel

*8:ここはもしかして「実現された」「できるようになった」なのかなあ

*9:funeral consumer advocate 固有名詞じゃないのでいちおう訳してみた

*10:副腎に起こる難病らしい。 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/104.htm

*11:こーゆーの http://www.massageking.com/products/Premium-Massage-Table-Package/MK-Premium-Massage-Table-Package/2688/1/1

*12:medical examiner。監察医とか検察医とか、どの訳が合ってるんだろ

*13:(It's less expensive)and more personal.これ猛烈に日本語にしにくい。つか意味がつかみにくい。お金がない、っていう諦めとともに寂しげに言ってるんだろうと推測してこんな訳になったけどもしかして違うのかなあ