せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯

大根が安いからと一本買うと、使いでがありすぎて困る。この前の土曜日に50円で買ったのをサラダにして3日かけて平らげて、あと煮物にして、でもまだ残っている、というわけで今日は大根で2品。ほんとはあじのひらきを焼くつもりだったけど、その2品で結構なボリュームになってしまったのでやめた。
話は変わる。俺はじゃがいもを食べるのは結構好きだが、じゃがいもの皮をむくのが嫌いだ。したがって庄やに行けば必ずポテトフライを頼み、ロッテリアへ行けば必ずポテトフライを注文するが、スーパーでも八百屋でも、肉じゃがが心底食べたくてたまらないときぐらいしかじゃがいもを買わない。
一方大根はといえば、皮をむくのに全く手間を感じない。ピーラーを使おうと、包丁で行う皮むきであろうと、じゃがいもとはまったく違う形状をした大根の皮むきは誠に容易である。よって俺が大根を買う頻度はじゃがいものそれよりも高いのだ。
そして本日も、俺はじゃがいもではなく大根を見つめて台所に立っていた。くそう、どいつもこいつも赤の他人の誕生日をダシにしてみんなで勝手に楽しく盛り上がりよって、と世を逆恨みしつつ帰路を急ぎすぎたため、チキンもケーキもお寿司も刺身も、とにかくおめでてー雰囲気の食品を取り扱っている店の前を完全に素通りして帰宅してしまったのだ。冷蔵庫にあったのは大根1/2本。
発泡酒を買ってきていたので、肴になるようなものを作ればそれでよかった。大根なら千六本に刻んで、醤油で炒めて胡麻油をまわしがけて七味を振ればそれで十分だった。しかし俺はなぜか今夜に限ってジャーマンポテトが食べたくなってしまったのだ。
しかし手元にじゃがいもはない。
ポテイトゥ、カルトーフェリ、ばれいしょ、ノー、ニェット、無し無し無し。カリリという歯触りを脳内に想起する狐色の焦げ目、翌朝二日酔いの頭痛とともに我が眠りを覚ますにんにくの臭い、ベーコンないしコンビーフ、あるいはアンチョビからもたらされるほんの少しの肉食感覚、そして圧倒的な澱粉質。場合によっては入っているタマネギの、あの妖艶な甘み。ジャーマンポテトにはそれがある。
だがしかし、手元にじゃがいもはない。
ここにあるのは、大根である。
大根の、尻尾に近い方の半分である。
 
「大根だ!大根だ!大根だ!」
 
よろしい ならば大根だ
 
 
我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとするヘンケルスの包丁だ
だがこの暗い闇の底で半世紀もの間堪え続けてきた我々にただの大根ではもはや足りない!!
 
大大根を!!
一心不乱の大大根を!!
 
他の食材はわずかににんにく1かけ あとは3切れのアンチョビに過ぎない
だが空腹は最上のソースだと私は信仰している
ならば我らは諸君と私で100万パワーの超人シェフとなる
 
大根を5ミリの薄さにスライスしフライパンをコンロにかけよう
薄切りニンニクをアンチョビとともに熱し大根を焼き香りを移そう
連中に50円×1/2×2/3本の味を思い知らせてやる
ベーコンどころかポテトなしでも味わえる美味さを思い知らせてやる
 
夏に作ってそのまま放置の自家製アンチョビが食品衛生法には手の届かない領域にあることを思い出させてやる
残りの大根(1/2×1/3本)を千切りにして
あっさりさっぱりサラダに仕立てて添えてやる
 
「最後に蓋をしてしばらく蒸し焼きに」
粗挽き胡椒をたっぷりと、仕上げの味付け求む!!
 
キッコーマン特選丸大豆醤油 鍋肌にまわしがけよ
 
ところでジャーマンポテトでぐぐったらこんなサイトが。なんじゃこりゃ。