小田晋の精神
歴史学・
サイコロジー人物日本史、上巻。
聖徳太子や
中大兄皇子、
蘇我氏の評価が従来の通説に基づいたものなので、生半可に新しい情報を得た今の自分にはなんとなくムズムズ。でも通説から導いた論である、ということを承知で読む限りでは、こういう「診断」というか見方が的を得ているのだなあと思った。仏教に深く沈潜した
聖徳太子や
キングメーカーに徹した(とされる)
中大兄皇子を「自意識を持つ」、我が物顔に振舞った(とされる)
蘇我入鹿を「自意識以前の部分で行動している」と評しているのにはちょっと唐突すぎてついていけなかった。俺が
蘇我氏びいきになってるだけかもしれんですが。
紫式部についてのくだりは「日本の狂気誌」(
asin:4061593382)とかぶるが、後者の方がより日本の狂気の歴史について追うガクモンってかんじの本で、今日読んだのは「歴史上の人物を精神医学的に見てみるよ・入門編」というところなのかなと思った。