へんな夢みた。
古城に住む貴婦人と知り合いになる。街で身寄りのない人たちに住み込みで働かないかと声を掛けて連れてくるのはいいが、彼らが少しでも自分の気に入らない性格であると判明するや否や、からくりや罠を使って惨殺してはそのさまを録画してそれをコレクションしているのだ。俺も仕事がないよーと街をさまよっていたところを拾われたが、貴婦人の友達と仲良くなりそのおっかない素顔について教えてもらったのだった。この国のこの時代、彼ら貴族が使用人の命を奪っても罪には問われないのであった。そんな無茶な。
なぜか俺はなかなか殺されないのだが、一緒に城に連れてこられた小太りの男の人と枯れ枝のような老女はすぐにその餌食になってしまった。男の人は厨房で自動式巨大肉切り包丁により首を切り落とされ、老女は中庭の芝刈り機の回転する刃の中へ放り込まれた。
俺はそれを見ておそろしがっていたが、そのときの顔がおもしろいという理由で以後毎回貴婦人のへんな趣味を横で見ているよう命じられた。断ればきっと自分の命もないのであろう。貴婦人の友達に「こんなの序の口だよ、あんた今度『4号館ってなんですか』って聞いてごらんよ」と言われ、気になったので貴婦人とエレベーターで二人きりになったところで聞いてみたら彼女は「そう…見たい?それはそれはすばらしいのよ」と凄惨なまでに艶やかに微笑み嬉しそうに言うので非常に怖ろしくなり、「すいません言い間違いました、晩餐会ってなんですか」とものごっついできそこないのダジャレを言って逃れようとしたがエレベーターはぐんぐんと地下通路へ向かって下りて行った。
地下通路を抜けるとそこには小さなホールがあり、だまされて連れてこられた高校生たちが観客席にぎっしりと腰掛けていた。ステージ上ではこれから誰かが拷問にかけられ悲惨な殺され方をする予定で、貴婦人は何も知らないでいる観客がこれから上げる悲鳴を聞いてそれを楽しむのだ、とわかった瞬間目が覚めた。汗だくだった。