せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

でんしゃでもえるの巻

朝、通勤に使っている某線の車窓からぼーっと外を眺めていた。急行・快速と各駅停車の待ち合わせ駅のホームに、背がひょろ高い駅員が、朝の冷え冷えとした空気に震えながら立っていた。
日だまりを求めて二羽のはとが、くるっくーくるっくーと頭を前後に振りながら彼のもとへ近づいていった。
震えながら線路のほうを見ていた駅員がはとに気づいた。斜め下のコンクリートのホームを歩くはとを、見てる、じっと見てる。
駅員は布が巻きついたままの手旗を軽く振ってはとにその先を向けた。ちょっとからかうつもりだったのだろう。駅員の口もとに笑みが浮かんだように見えた。
朝日に照らされたホームのそこだけがまるで永遠に祝福された空間のように、静かに輝いたようだった。
 
夜、通勤に使っている某線の、ドアのすぐ脇の座席に腰掛けてぼーっと車内広告を眺めていた。急行の止まる駅で、女性専用車両にふと一人の男性が乗り込んでしまったらしく、自分のすぐ横のドアから駅員が車内に顔を出し、「恐れ入ります、男性の方は隣の車両をご利用ください」と案内していた。あんなに近くで見事な車掌生ボイスを耳にしたのは初めてだ。うおおお、と思った。
電車にはじまり電車に終わった一日だった。