自分の住まいに帰ってきて、さてGW最終日、ポツンと一軒家を見て明日への活力を養うぞ！とテレビをつけたらWBC特番が流れててがっくしきた。しょうがないのでハードディスクに溜まってる旅番組を消化しようととりあえずスギちゃんの迷宮グルメのエジプト回の録画を再生したのだけど、これがめっちゃ良かった。スギちゃん、東南アジアでは水を得た魚のように生き生きしてたのだけど、エジプトでもなんかいいかんじの旅人じゃん。
そんで、スギちゃんの立ち寄る先を色々見ているうちに、エジプトというのが、いち視聴者である自分にとってめちゃくちゃ未知の国なんだというのを思い知らされた。街角に、ピクルスが山盛りになっているどでかいボウルが置かれた卓があって、周囲の男どもが「みんな漬物をこっから摘んで食べ」ている。どうやらこの山盛りピクルスは、軽食のレバーサンドを売る店が箸休め（？）で提供しているものらしい。エジプトにこんな風景があるなんて、まったく想像したことがなかった。
街なかに給水所が設けられていて、誰でも無料で水を飲むことができる。喉が渇いた人に水を与えると良いことがある、とイスラムの教えにあるらしい。そして、給水所のそばにあった店で売られているクナーファというお菓子がめちゃくちゃ気になる。チーズをたっぷり使っているらしく、とろーりと長く糸を引いている。試食して！と言いつつ結構な量を気前よく振る舞ってくれるので、スギちゃんがびっくりしている。
布地の問屋街にある、古びた内装のコーヒーショップには、小さな画面のブラウン管テレビが置かれている。銀色の小さなポットを灰に埋めてじっくりと煮出す。紙コップで出される飾り気のないコーヒー、旅人にとっては忘れられない味になりそう。
