せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯

  • 牡蠣鍋
  • ひじきの煮物
  • ごはん

ほうれんそうを買うの忘れた。
牡蠣鍋は味噌仕立て。ほんとは豚肉のキムチ鍋にしようと思ったのだけど、牡蠣に30%引きシールが貼ってあったので予定は変更された。
今日の夕暮れの空はすごくきれいだった。濃い青、いや藍色か、空色、いやむしろ淡い青、白っぽい赤色、いいや朱色、朱鷺色、どこを取り出してみても言葉にした途端に実物の美しさが台無しになってしまうという恐ろしいほど繊細なグラデーションを背景にして低空を横切る無数の電線のシルエットが限りなく細く限りなく黒く目に焼きつく。なんだこれ、なんていう美しい絵だ。まっすぐ伸びる道路はゆるい下り坂になっていて遠くに信号と歩道橋が見える、道の両脇にはしょぼくれたアパートや狭い庭の一戸建て、シャッターが下りたままの店、ほこりをかぶった車が鼻先をのぞかせたままのガレージ、根元に壊れたラジカセが放置されたままの傾いた電信柱。たとえば夏の日差しのもとでは痛々しくて見ていられないものたちが、薄闇の中ではこんなに優しげな姿を浮かび上がらせる。顔をあげればそこには、昼から夜へのグラデーションと、踊る電線の交錯だ。どこか遠くへ行かなくても、お金を払ったりしなくても、誰かを誘わなくても、ネットで調べたりしなくても、こんな美しいものが見られてしまうなんて、この世の中というものはなんという世の中なのだろう。国じゅうが不景気でも俺が貧乏でも、そんなこととは関係なくきれいなものは地上にいっぱいあって、それらにエンカウンターできるチャンスが俺にもあって、というのはなんかとってもしやわせだ。