昔料理の本とか読んでて、「きゅうりは板ずりをしてなんちゃら」と書いてあるくだりがすごく多かった。けど全然やったことがなかった。きゅうりに軽く塩を振ってまな板の上で転がすという下ごしらえのことで、今ネットで調べたら青くささが消えたり色が鮮やかになったりいいことずくめっぽいけど去年までは一度もやったことがなかった。マジで。そんなことしなくても乱切りにして塩振って食うとかだし別にいいやと思っていたのだが、今年自分ちで育ったとれとれのきゅうりを自分で料理して食べるようになって板ずりの必要性がわかった。だってとれとれきゅうりってほんっとにトゲがすげーんだもん。店に並ぶきゅうりっていくら新鮮でも出荷のときとか店出しのときとかでどこかに触れたりきゅうり同士でこすれたりしてトゲがある程度つぶれてるの。でも自分でたった今、茎をパチンとはさみで切って台所に持ってきたきゅうりってほんとにトゲトゲが鋭いの。そのまま包丁で切ろうもんなら、おさえの左手がチクチクチクチクあいたたたたたた。葉っぱも茎も剛毛が生えてて、へたするとその透明なとげがささったのに気づかずに一日原因不明の指の痛みに悩んだりするの。きゅうりってけっこう獰猛な野菜であるのだなあ。
