豚汁にいつものように七味をかけようと容器を振ったが、中身が出てこない。容器は不透明で中が見えないので、蓋をねじって外して中を覗いてみると、空っぽになっていた。ついに!
ついに!!
使い切った!!
この七味唐辛子は、ずいぶん前に京都に行ったときに、清水寺の近くの七味屋さんで買ったものだ。この日記を「七味」で検索すると、2011年2月にこの七味のことを「10年ぐらい前のブツ」と称しているくだりが見つかるので、へたすると購入から20年以上経っているかもしれない。月日が経つあいだに当初の香りはどんどん失せていったのだけど、腐る性質のものではないし、異臭を放つわけでもなく、匂いはかえって穏やかでまろやかにさえなっており、もはや七味と呼んでいいのかどうか不明な何かと化していたが、古いからとただ捨てるにはしのびなく、この容器はずっとずっとずっと冷蔵庫の卵置き場の脇を定位置として我が家に存在していた。思えば自分の人生の4割ぐらいの時間はこの七味(だった何か)とともにあったのだ。
次に京都に行くことがあったら、またあそこで七味を買ってみたいものだ。今度はもう少し早く使い切りたい。