せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

読んだ

カラスの常識 (寺子屋新書)

カラスの常識 (寺子屋新書)

NHKの自然番組制作を手がけてきた経歴のある科学ジャーナリストによる、カラスの生態紹介。知らなかったことが色々書いてあっておもしろかった。ハシボソガラスハシブトガラスの違いとか、見た目の違いはなんとなくわかるんだけど行動範囲も生態もけっこう違うんだな。ハシブトガラスはもともとは「森のカラス」と称されて樹上生活を主体としているから、樹の代わりになる高所がたっくさんある都会にも住める。居場所はあるし栄養豊富な食べものは毎朝路上に転がってるし、こりゃ増えるわ。東京でこれだけ増えたのは食料が豊富なことと、ねぐらになるような大きな森があちこちにあるかららしい。生ゴミを荒らされて困っている人には申し訳ないけれど、マヨネーズが大好きなんてちょっと親近感を覚えてしまうな。ちなみにゴミをあちこちの路上で集めて処分場へ持っていくというしくみは江戸時代にはあったらしいので、お江戸の町は、昔からカラスたちにとって住み易い場所だったのかもしれない。この本によると明治時代、モースが日記にカラスのことを書いているそうだ。カラスが飛んできて、馬車(いや、人力車かな)の紙提灯を破いて中のロウソクを食べてしまったとか。当時のロウソクは、脂肪分が多くカラスが好んで食べるハゼの実を原料にして作られていたからだ。もしかしたらその頃すでに、東京人とカラスの知恵比べが行われていたのかもしれないな。
樹の上で暮らし、食べものを地上に見つけるとザーッと降りていってゲットして樹上に戻る、という昔からの生活に体が適応しているからか、ハシブトガラスは地上では両足でピョンピョンと跳ねて移動するのが楽らしい。対して「草原のカラス」と呼ばれるハシボソガラスは片足ずつ交互に踏み出して歩く。畑や収穫後の田んぼで群れをなすのはこっちだそうで、「権兵衛が種まきゃカラスがほじくる」のカラスはハシボソガラスなんだな。

議員のホームページになぜか民話がたりが。
あと、いつも実物を見ているはずなのに、なぜかカラスのくちばしは黄色いと思い込んでいた自分にびっくりだ。そうだよ、真っ黒じゃんか。