せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

そば粉入りのクレープ食ってなぜか工作船を見て帰ってきた

赤レンガ倉庫のフードコートへガレットを食いに行った。
http://r.gnavi.co.jp/a004304/
というか前からあったっけこんなの。洋菓子店と間違えそうな紛らわしい石鹸の店があるのは知っていたが、赤レンガ倉庫ってこんなに飲食店の占める割合が高かったっけか。ソーセージとプロシュートかなんかとビールの数量限定セットが燦然と輝く鎌倉ハムのメニューに後ろ髪を引かれながら、ガレットのブースへ。ここって確か、まだ行った事のない神楽坂の店の系列だった。
ガレットというのは平たく言うとそば粉で作ったクレープなのだが、クレープと言ってしまうと日本では、街角でおにゃのこが歩きながら食べてるあまーいもの、という感覚ではなかろうか。ガレットはもともと土地がやせていた地方で主食とされていたものだから、卵焼きやハムやスモークサーモンがのっかっていたりして、ごはんになるのだ。なもんで、発祥の地での習慣にならってこの店でもシードルを出している。ふふふ、たまらんね。
がしかし本日俺の心を射止めたのは、そば粉100%の、ハムとかサーモンとかののっかったお食事ガレットではなくて、小麦粉とそば粉の両方を使って作ったデザートクレープの方なのだった。
塩バターキャラメル。そーなんだよ、これがずっとずっと気になってたんだよ。甘そうだからシードルじゃなくてコーヒーをつけるか……。ドリンクセットで780円。
香ばしい塩バターキャラメルソースがかかった生クリームとバニラアイス。すんげー好みですこの味。クレープの上でアイスがどんどん溶けてきちゃうんだけど、それをとろとろとからめて食す生地がまたほんわり素朴な香りでもう!もう!これはまた食う。絶対食う。
んで腹ごなしに外を歩く。おお、かっこいい白い船が停まってるじゃん。

なんか隣の建物がへんな形だなあ。

窓のところをよく見たら「工作船展示館」とか書いてある。
工作船ってあれのことかなあ、あの、アルミ管とかを使って、ちっちゃいろうそくを載っけて走らせるやつ。ほら、小学生の頃、夏休みの課題で貯金箱とか作らされたじゃん!全国コンクールがあるからとかいってさ。あれの船バージョンじゃねえの?もしかしたらなんか力作ぞろいなんじゃないの?
と本気で思ったんだけど、近づいてみたら
http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/kouhou/jcgm_yokohama/index.html
海上保安庁の建物だったよ……工作船って……工作船って……
北朝鮮のか!!!
というわけで工作船展示館(入場無料)を見てきた。ここに展示される前にはお台場にあったらしい。
もう5年近くも前の出来事だったんだな。入口近くで流されている当時の映像を見るまでどんな事件だったかすっかり忘れてた。そうだ、あちらに人死にが出ていたんだった……。
引き揚げられた船体はもうボロボロになっている。弾痕が生々しい。船尾に観音開きのハッチがついていて、中にイカ釣り漁船に偽装した小型船が格納されてたんだな。どうやって外に出すんだろ。海上でハッチ開けたら沈んじゃうよなあ。
ロケット砲や自動小銃なども展示されていた。あと、シャープのポケコン。液晶は割れている。キーは日本語の表示。型番はPC-E500。引き揚げ後、RAMのデータは既に壊れていて回収不能だったという。
本物の自爆ボタンを見たとき、ちょっと鳥肌が立ってしまった。おそらく覚醒剤の取引などに使われていたこの船に乗り組んでいた人たちの人生。自分から遠すぎて想像もできないけれど、彼らにも家族がいたはずなんだよな……
プチこもりの気分転換の遠足にと出かけたつもりが、でっかくてキナ臭い世界の生々しい部分に引っ張り込まれてしまったような気がして、引っ張り込まれたって言ったって自分がここで危険に晒されるわけでもないのに、なんだかとても、うまく言えないけれど、ショックだった。

見終わって外に出ると、そこには相変わらずの青い空があった。