せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

ひとり遠足

きょうの行き先は横浜市立野毛山動物園です。
http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/dousyoku/nogeyama/
京浜急行普通列車に乗り、日の出町駅で下車します。日曜とあって歩いている人が多いです。この人たちについてゆけば迷わず動物園にたどりつけるでしょう。それにしてもなんだか年配の男性が多いです。みんな新聞を手に持ち、鉛筆を耳にはさんで何か考えながら歩いているようです。時事問題に興味を持ち、常に情報を熱心に収集しているのですね。携帯ラジオを手にしている人もいます。
しかしなんだか様子が違うと思ったら、この人たちは野毛山動物園ではなく、走る馬の映像だけを見られる特別な動物園に行くみたいです。
http://www.jra.go.jp/turf/wins/yokohama/index.html
今日はなんだか大きなイベントがあるようです。ダービーってすごいな。こんなに多くの人たちをひきつける魅力があるのでしょう。人波にもまれながらそう思いました。
気を取り直して人の流れから外れ、坂を登ると左手に中央図書館の建物。目の前には新緑鮮やかな丘が見えてきます。これが野毛山公園です。動物園の入り口は丘の頂上付近にあります。家族連れの姿がぽつぽつ見受けられます。この人たちは馬以外の動物を見るために来たようです。
先ほど挙げた横浜市の公式サイトによれば、この小さな市民動物園の開園は昭和26年4月。旭区のズーラシア金沢区の動物園ができるずっと前から横浜市民に親しまれてきた場所です。小さい頃は横浜市民でなかった私も、親に連れられて何度も足を運んだ思い出があります。いつも昼には近くの中華料理店でラーメンを食べさせてもらいました。その頃から、というより開園当時から人気者だったインドゾウの「はま子」は、数年前に大往生を遂げ、今はもういません。はま子のいたゾウ舎の跡地は、今では家族連れが足を休め、お弁当を広げる広場になっていました。
レッサーパンダの周りには人だかりができていました。ビデオカメラを回しているお母さんもいます。立ち上がるのを待っているのでしょうか。いつ行ってもこんな人垣ができているのを今まで見たことがありません。珍しい光景を見せてもらったなあ、と思いつつ通り過ぎ、チンパンジーたちの檻を横目で見ながら、お気に入りの爬虫類館に入りました。
爬虫類館には、ニシキヘビやワニ、大きなリクガメなどが暮らしています。薄暗いうえにかなり高めに保たれている室温、そしてにおいが苦手な人は30秒でノックダウンでしょう。何よりもヘビ嫌いにはおすすめできません。
しかしながら今日はここで、私の大好きな生き物に出会うことができました。横浜市内、普段の私たちの生活圏内に生息している爬虫類の展示コーナーに、彼らはいました。
ニホンカナヘビです。
ちょうど大人の目の高さに小さな水槽が備え付けられていました。中には少々やせた、でもスタイルのいいカナヘビが3匹。ぬめぬめした金属光沢を放つニホントカゲよりも、ざらざらしたあたたかい地面を思わせる茶色をした、このカナヘビという動物が、私は大好きです。どのくらい好きかというと、つかまえて家につれて帰って、夜になったらこっそり布団の中へ連れて行って一緒に寝るくらい好きです。小学生の頃でしたが、われながらなんて大胆だったんだろうと思います。が、しかしこの大胆さというものは大切だと今は思います。皆さんも、大好きな生き物がいたら、夜、一緒の布団で寝てみましょう。積極性は大切です。しかし私が添い寝したカナヘビは、私の気持ちなんておかまいなく、夜中に布団から逃げ出し、ふすまに張り付いて寝ていました。いけずだと思いました。
さて、話がずれましたが、野毛山動物園カナヘビです。中に一匹、興味深そうに寄って来て人の顔を見つめる子がいます。私も当然親愛の情をもって見つめ返し、そこで30分ほど種族を超えた熱い愛の視線が交わされました。
再び話がずれますが、カナヘビの顔は何かに似ていると思ったら、なんと全く違う種類の生き物そっくりではありませんか。
それは、シマリスです。
そんなバカなと思われるかもしれませんが、下にあげた二つのサイトの写真を比べてみてください。
http://halop.hp.infoseek.co.jp/c-2500l/animal/index03.html
http://www.showtime.jp/info/relax/00331/
頭の形、つぶらな瞳、鼻先から体へつづく縞模様、どれをとってもそっくりです。反論はシャラップです。カナヘビに耳がついたらもうシマリスです。ライオネスコーヒーキャンディのCMをまた作るとしたら、今度はニホンカナヘビも競演させて欲しいです。しかし下手をすると食欲旺盛なシマリスが、コーヒーキャンディではなくカナヘビを取って食うかもしれません。
ちなみにニホントカゲに比べ、カナヘビは人になれやすいので、機会があったら少しの間だけうちに連れてきて飼ってみたいと今も思います。
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さて、名残惜しくも爬虫類館を後にし、やる気のなさそうなトラやライオン、人目なんておかまいなしにのんびりしているニホンタヌキやハクビシンを見ながら歩きます。私はこの歳になって未だにアシカとアザラシの区別がよくわからないのですが、確かどっちかが居たはずの場所もまた芝生広場になっており、家族連れでにぎわっていました。目の前の池にはツクシガモなどがいます。マガモは既に渡りの季節を迎えて姿を消したようです。
この動物園には、放し飼いのクジャクもいます。時折「イヨウ、イオーウ」と甲高い声を上げるので、付近の住宅街にお住まいの方にはお馴染みでしょう。人が近寄ってもすぐには逃げません。カラスよりも悠然としています。大物です。
クジャクの後をつけていくとペンギン舎へ出ました。これは動物園のリニューアル前から変わらぬ場所にあったので、なんだかほっとしました。ペンギンはあの姿形のおかげで何をやっても愛くるしいです。足を滑らせて水中に転落しても、立ったままうとうと居眠りしても、かわいいのです。私も次回はペンギンに生まれたいと思います。
ペンギン舎の向かいには、かつて道を挟んだ向かい側の丘の上にあった「ふれあい広場」が移設されていました。ちびっこたちが、モルモットやハツカネズミ、ヒヨコなど小さな生き物とふれあう場所です。小さな生き物とふれあう人間の子供をじっと見ているのは面白いです。でもとある人間の子供に向かってその母親が「ほら、そろそろ片付けて」と言ったのが妙に頭に引っかかりました。ヒヨコを片付けるって、なんだかおもちゃのことを言っているみたいです。その母親にとってはヒヨコは子供を遊ばせるためのおもちゃだったのか、と思いいたって納得しました。
ペンギン舎の脇に、お目当てのカグーの小屋がありました。ガラス張りの住みかの、昔はもう少し近くに寄れたような記憶があるのですが、カグーを怖がらせないためであればしかたありません。写真を撮ろうとすると、カグーはちょうど死角になる場所にうまく隠れてしまい、なかなか画面におさまりません。私のデジカメではズームも足りません。でも、生のカグーをたくさん見られたので全然オッケーです。カグーを見つめて1時間ほどそこにいました。カグーは一本足で立ち、時々居眠りしていました。
さすがに日光をたくさん浴びて疲れたので、他の動物たちはそこそこに切り上げて昼食の時間にしようと思ったところに、「ミヤコタナゴ」のいる建物を見つけました。
http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/dousyoku/nogeyama/tenji/tanago.html
ミヤコタナゴのオスがこんなにきれいな婚姻色をあらわすものとは知りませんでした。この魚は不思議な子育てをするというので今日はミヤコタナゴに2度びっくりです。ミヤコタナゴのメスは、なんと二枚貝のエラの中に卵を産みつけるのです。孵化した幼魚は、小さな貝のエラの中で、じっと動かず成長するそうです。
そんなこんなで園内をぶらぶらした後、かつてふれあい広場があった丘へ足を伸ばし、日陰のベンチで休憩していました。あんまり奥へ行くと親子連れではなくおじさんがベンチに寝そべって寝ていたり、ラジオを聴いていたりしているのでちょっと居づらいです。今日見たおじさんの一人は下半身に何もはいていませんでした。うっかり前を横切らなくてよかったと思いました。野毛というのは色々な意味で深い街だと改めて思いました。
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空腹も限界に来たので野毛山を下り、大通りを歩いてにぎわい座の横のフレッシュネスバーガーで腹ごしらえをしました。オニオンリングを久しぶりに食べました。おいしかったです。
そして3時を過ぎたので、昨日下調べして行こうと決めていたベルギービールの店に行ってみたのですが、「Closed」の看板が下がっていました。休日は3時からと書いてあったのに。カシスビールが飲みたかったです。でもまた来てみればいいやと思いました。
結局平沼橋の駅まで40分ほど歩き、そこから電車に乗って帰りました。先ほどの店でビールを飲むつもりだったので財布にそこそこのお金を入れてきていたのですが、結局使ったお金は行きの電車賃とフレッシュネスバーガーの昼食代、合わせて760円でした。銀河高原ビール白ビールと、kiriのクリームチーズを買って帰りました。たくさん歩いたので今夜はよく眠れると思います。早めに寝て、「まほらば」の時間には起きようと思います。