夕暮れどきに買い物にいって
帰り道でかまきりみつけた
歩道のどまんなかにすっくと立ってる
このままじゃ絶対自転車にひかれて
かまきりせんべいになっちゃうよ
と手でかまきりを歩道のわきへ
追いやろうとしているのになかなか動かない
むしろファイティングポーズをとられてしまった
しょうがないのでつかまえようとしたら
やっと歩道のわきの草むらへ逃げていった
あのかまきりはなぜあんなとこに
ずっと立っていたのだろうな
あのかまきりは目の前に
クロックスもどきのゴムサンダルの底や
自転車のタイヤが迫ってきても
さっきみたいにとっさに斧を振り上げて戦おうとしただろう
そしてそれはかまきりとしてとても幸せなことであるかと思われる
おいらはすこぶるよけいなことをしたのだった
と歩きながら思った
おいらが桃を買って帰る途中のことだった
桃は食べる30分〜1時間前に冷蔵庫に入れるのだ