- 作者: 永井路子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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で、おもしろかった。学者の人の書く文章とはまた違ってやわらかな語り口。あと人間関係とか、すごくわかりやすく説明してくれているのでスッと頭に入ってくる。
持統天皇の行動の根拠とか、今まであんまりパッキリすっきり納得できたことがなくて、この間小説を読んだときには「彼女はやっぱり天智の娘なんだな。やっぱり恨んではいても父親の後ろ姿がずっと心にあったのにちがいなーい!」ってことで納得しようとしていたんだけど、もうひとつの要素について重要な指摘がされていた。彼女の生まれ育ちについては例の小説にも描かれていたし、今まで読んだ他の歴史学者の本とかでももちろん何度も目にしていたのだけれど、その事実が彼女の行動に与えた影響については、この本を読んで初めて、俺にも理解できるかもしれない、と実感できたのだった。彼女は蘇我氏の血を引いているのだ。