オフなのでぶっちぎりで昼まで布団の中にいた。というかこれからまた潜りこむ。
子供の頃は家で小動物を飼っていたので、それを狙ってやってくる野良猫は敵だった。何匹かは奴らにもっていかれたし、その頃家に近づく野良猫を見かけると「シャーッ!!」と叫びながら追いかけるのが習慣になっていたけれど、野良猫の数自体は少なかった。なので例えば行政がかれら野良猫の管理に乗り出すというようなことが普通だと思ったことはなかった。サザエさんのように、おさかなを取られたらば裸足で追いかける、それが彼らとの付き合い方なのだと思っていた。
そもそもうちの近辺では、いわゆる「猫おばさん」のような存在はなかった。野良猫をかわいがったり餌をやったりするという人がいなかった。だからうちのペットを執拗に襲いに来ていたんだとも思う。
ああそうだ。そういう地域的条件に加え、その敵対関係があくまでも猫vs.自分だったからよかったのかもしれない。いや、可愛がっていたペットが食われたり殺されたりしたときには腹が立ったし、心の底から悲しかったけど、なんかでもそれはしょうがないことだと思えたんだよな。もしあの頃に猫おばさんとか野良猫餌やりボランティアの人たちがいたらどうだったろう。そうしたら、うちのペットが殺されることはなかっただろうか。逆に不適切な餌やりで野良猫が増えたりしたらやっぱりペットも狙われていただろうか。世話をする人間がいるにもかかわらず、野良猫が自分のペットを殺すというようなことがあったなら、自分は野良猫ではなく世話をする人間を敵とみなしただろう。しかも、猫に対するよりももっと大きな怒りを抱いたかもしれない。だって猫が鳥をとるのとは違って、彼らはそれをしなくても飢え死にしないというのにそれをしているのだから。