昼の3時過ぎに用事が終わったので、久しぶりに近所の喫茶店に行って本を読むことにした。近所といってもゆっくり歩くと20分近くかかり、けっこうな急坂を上って下ってアスファルトの照り返しに全身を焼かれることになる。このため、ここひと月ほどはとてもじゃないが足を運ぶ気にならなかった。
読書はまあまあはかどったし、本の内容も面白いと思えたのだが、店にたどり着くまでに消耗した体力とチョコパフェの生クリームの消化にかかったエネルギーが予想外に大きく、そのうちものすごい眠気と疲労感に襲われた。結局読書は途中で切り上げてうちで笑点を見ることにした。
表に出るとアスファルトはまだ全力で熱気を吐き出していた。意識が割と朦朧としていたので、5〜6人の小学生が自転車にまたがってあれこれと喋っていたが、何を言っているのかまったく理解できなかった。語尾に「じゃん」がつくのだけがかろうじて聞き取れ、日本語なのだとわかった。
うちに帰ってきてテレビをつけてチャンネルを日テレに合わせたら、24時間テレビでマラソンしてる人の姿が流れてきた。ということはなんかきっといつもの笑点とは違うのか、もしかしてバンキシャも鉄腕ダッシュもないのか……とがっくりきて、無意識のうちに口から「ぐおおがああ」という呻きが漏れたのだが、マギー司郎が出てきたのでなんとなく機嫌が直った、そんな8月最後の日曜の夕方だった。
