せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2025年もそこそこ適当に生きたい。

読み終えた

夏の朝の成層圏 (中公文庫)

夏の朝の成層圏 (中公文庫)

俺の世代だと子供の頃に『不思議な島のフローネ』っていう無人島サバイバルものの名作アニメがあってだなー。その舞台となる無人島では漂着した一家に確か色々と苦難が襲い掛かっていたはずなんだよ。でも俺は、無人島いいなー、身の周りに人が誰もいないなんて最高じゃん、とか思ってたような気がする。残念ながらその精神性は何十年経ってもあまり変わっていなかったようで、登場人物が主人公一人だけだった物語の前半までで俺のワクワクは終わってしまった。ああ、なんということだ。
作者はむしろきっと、後半部分、主人公が元の世界へ帰っていくまでのイロエロを描きたかったのだろうし、そのために前半の主人公の試行錯誤や順応の過程を抜かりなく緻密に文章へと編んでいったのだろう。でも俺は、その前半部分がそのまま一生続いて主人公が天寿を全うすればいいのになあ、と思ってしまった。俺、『蠅の王』も、結末を覚えてないんだよな。