せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

読み終えた

車のいろは空のいろ 星のタクシー

車のいろは空のいろ 星のタクシー

この前図書館に行って借りてきてしまった。ほんとは間にもう一冊あるらしいので今度借りてきて読もう。
これ、あれですよ。小学校の国語の教科書に載ってた。チョウチョの代わりに夏みかんを置いてくるタクシーの運転手の話。このシリーズはすべてどこかリアルを離れたファンタジックな展開をみせる話ばかりで、教科書にあった夏みかんの話「白いぼうし」ももちろんそうなのだ。だが俺はなぜか、夏みかんを代わりに置いてきた、っていう、ありふれてはいないけれどやろうと思えば理論上物理的には再現可能なエピソードだけを覚えていて、その後に運転手の松井さんが乗せた不思議なお客さんについてはまったく記憶になかった。なんでかというと、そのお客さんが松井さんの運転するタクシーの後部座席に乗り込んでくるという事実は、当時の俺にとっては不思議でもなんでもない、ごくごく自然に起こり得る出来事であったからだ。このためあまり記憶に残らなかったのだ。それよりも見ろ。夏みかんだぞ。チョウチョをつかまえてとじこめておいたと思ったのに、道端に伏せておいた白いぼうしを持ち上げてみたら、姿を現すのはデーンとしたつやつやの夏みかんなんだぞ。これってシュールじゃないか。これが幼心に強烈な印象を残したのだった。
松井さんは気持ちよさげにたばこをふかしたり、見知らぬ幼児を車に乗せて連れまわしたりしていた。古き良き平和な日本ってのを感じた。それと、このシリーズの舞台になっている街はかつて空襲の被害にあったらしく、戦争がらみのエピソードも出てくる。この前から「実はもうこの人生きてないんです」って展開に対し脆弱性を増している俺の涙腺マジヤバイ。
で、なんでこのシリーズが読みたくなったのかというと、小学生の頃読んだ物語で印象に残っているものをいくつか思い出して、読み返したくなったからなのだ。
でもそもそもは「こたえはひとつだけ」っていう本が読みたかったのだ。行った先の図書館では所蔵していなかったのだ。