草食系男子とか言ってたら、むかーしの知人を思い出した。草食系というよりは乙女系なのだろうかなあ。ごめん乙女系っていう定義もよくわからんけど。いやクリエイティブ系? アーティスト系? よくわからんが、俺なんぞよりよほどおにゃのこに近い感性を持ち、かつそれを形にする確かな感覚と技術を持っていたことは確かだ。イラストしかり、フォントしかり。
草食系という言葉は当時まだ生まれていなかったけれど、先日この言葉を聞いて、その人がよく語尾に、 w じゃなくて v を使っていたのが思い出されたのだ。この v はもちろん warai から派生したとされる w 、いわゆる(笑)の意味じゃなくて、おにゃのこが授業中にともだちにあてて書くような、いちごの形とかに折られた手紙の中にいっぱい出てくるハートマークと同じに使われていた。おまいは橋本治か。と突っ込んでしまいそうになるのだけれども、でもなんてえか、あの v の使い方は俺にはまねしようとしても決してできない、使用している本人の人柄が滲み出るような、とても自然なものだった。草といえば別方面では v でなく w を意味する(しかもある程度群生している場合を指す)ようなのだけれど、個人的には、v の方がちょこちょこっと道端に生えている草っぽくてピンとくるし、そのかわいい葉っぱの間にはもちろんかわいい花が咲いているのであるし、「あ、草生やしてる」とほのぼのした気分に浸れるこっちの草の方に草の名称を与えたいと思っている。
あの知人は今でいうところの草食系男子なんだろうなと考えると、そういうわけで二重の意味で納得が行く。ただし、もっとつきつめて言うならば、自らの語りの末尾に v を付け、絶えずkawaii ものを創出せんとするその生産的な姿勢には、「食」という消費的行動を含む呼称はそぐわない。むしろあの知人自身がそうした草花を生み出していたのであるから、草食系ではなくこれはもう草植系男子と呼ぶべきであろうと思いついた。でも、俺いまうまいこと言った? ねえ言った? と思って「草植系男子」でぐぐってみたらwwそんなwwww言葉はwwwもちろん 非ハートマーク的wな意味でwwwとっくにww既出wwwwでしたバロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwゴフゥッ
ちなみに俺って人を褒めるのがすげえ下手なので、褒めると相手はたいていすごく微妙な笑いを浮かべるのね。あれきっと褒めたつもりがすごく失礼な事言ってんだろな、って自分でも思うからなんとかしたいとは思ってるんだけど、でも俺がその人について感動したところを思ったままに表現すると大体世間的には失礼な褒め方になるみたいなんだよ。本当にあんたそれすげえよ!って伝えたいんだけど、でも相手が喜ぶように表現すると自分的には全く納得のいかない賛辞になっちゃうんだよ。かといって素直に発言するとこれはもうほめ殺しってレベルじゃねえ。なんなの。
っていうかどっちにしろこの人が今どうしているかも知らないのでいくら考えても意味なしなんだけど、もしもあの知人に面と向かって「草食系というより草植系だよね」って言ったら、微妙な反応が返ってくるんだろうなー、っていうのもなんとなくわかるんだ。いやそもそも、面と向かって「君は草食系男子だよね」と言われた人が嬉しく思うのかどうかも知らんけど。うん、俺バカだけどこれ言ったら言われた方はリアクションに困るんだろうなっていうのはわかってるんだ。いくら説明してもダメだろうな、というか、褒め言葉っていうのは多分、相手に一番伝わりやすい言葉で言わないといけないんだ。説明しないといけないような言い方しちゃダメなんだ。っていうかそれ褒め言葉に限らないから。ああめんどくさいなもうどうでもいいです。どっちみち俺に褒められたって誰もうれしかねえや。飯食って風呂入ってからシャトレーゼのチョコミントアイスバー食って歯磨いて蒸気の出るアイマスク着けて寝る。