2009-06-24 刺繍 作り話未満 蜻蛉が一匹、夕焼けの空を軽やかに滑ってゆきました。 まだ若い苗がそよそよと揺れる茜色の田の上を、するすると滑ってゆきました。 腹ぺこの熊が一匹、それを見ていました。 自分もそんなふうにするすると、夕空を駆けてゆけると思い込み 熊は蜻蛉の行方を追いかけましたが すぐに泥田に足をとられ、そこを通りがかった百姓たちに見つかり 大きな石を投げつけられ、鋤で体を割かれ、殺されてしまいました。 どっとはらい。