せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

そういえばちどりがふちいてきた

桜はもうほぼ終わった。あの桜餅が鈴なりになったような咲き方をする八重桜も、今ではすっかり葉っぱだけでふさふさしてる。時代は、じゃねえや季節は、もうすっかりみどりいろシーズンなのだな。
山種美術館に行ったら、桜の絵ばっかり集めた特別展の期間中だった。俺は上村松園が描いたおにゃのひとの絵が見たいと思って行ったのに!!!見当たらないようわあああん!!!!
でもいくつか好きなかんじの絵があったのでよかった。てか東山魁夷の絵を見てると、昔遊びに行った友達の家の壁を思い出す。さわるとザラザラしてなんかちょっと光る粉みたいなのが混じってるの。それから、スケッチの段階では葉っぱのしなやかな曲線とか、花弁の付き方とか、すげえ写実的なかっこいい、でもラフなスケッチを残しているのに、いざでっかい作品になるとなぜか判で押したような、しかもなんか和菓子みたいな意匠にデフォルメされた桜の花が、はんこで押したみたいにバババババババババって画面上に配置されてる絵とかもあった。超かわいい。
古典芸能に題材をとったものもあった。道成寺って、あれだっけ、おにゃのこがヘビに化けて、お寺の鐘の中に逃げ隠れたお坊さんを焼き殺す話だっけ?こええええ!!!二人を葬った地からは桜の木が生えてきたってことになってるらしいのね。おお!梶井さんどころじゃなく古い話なのねこれは。
あと、千鳥ヶ淵の水面と満開の花の重みにしなだれる桜の枝を描いた作品は、近くで見るとそうでもないけど遠くから見ると超迫力だった。もっと驚いたのは、あとで売店で絵葉書サイズのその絵を見たら、水面に立った波紋がすっげえすっげえリアルで今にも動き出しそうだったこと。絵葉書は買わなかったけどしおりがあったので買った。同じ作者の吉野の絵もキレイ。石田武。ちぃ、覚えた!
ほとんどの作品が白色の、あるいは薄い色の紙や絹布に描かれているなか、夜桜を描いた絵がひときわ異彩を放ってた。これを描いた人はニューヨーク在住らしい。なんとなーく納得した。っていうか、多分、いかにも日本画な人だったら、月闇の中に浮かび上がる桜の花の色をこんなに鮮やかには描かないんではないかと思った。
山種美術館では毎年桜の特別展を開いていたらしいが、もうすぐ移転してしまうので、今回がこの地で最後の開催になるんだそうな。っていうか松園の絵が見たいんですけど。近いうちにまた来ないといかん。