- 豚肉とキャベツをお湯の中でぐるぐるしたやつ
- 塩えんどう
- 淡麗グリーンラベル
日本人ってドーナツ好きなのかも。まんなかが虚ろなものが。というような内容の本を前に読んだ。といってもこのドーナツというのは実際の食べ物のことではなくて、比喩なんだけど、というかその本ではドーナツなんていう例えは出していなかったのに、読んだ俺が勝手にドーナツに似てるなあと思い込んでそのままドーナツ話として記憶しているのだけれど、それに近い内容の本がまた売られていたので買った。
昔、ピアスの穴を片方しか開けていなかったころ、片方だけに着けてサマになるピアスを探すのがとてもとても楽しみだった。安全ピンで開けた穴を初めて飾ったのは、シャトヤンシーをもつ青いつくりものの石だった。まんまるで、光が当たると表面に光が一筋、縦に浮かぶ。
あのまんまるに磨かれた、というよりは成型された石が跳ね返した光の筋は、あれは、何色というのだろうか。いやそうではなくて、石の表面のうち、猫の瞳のように細い光を跳ね返していたあの部分は、そのとき、何色をしていたのだろうか。何色と呼ぶのだろうか。
細い茎と葉と花を模したピアスもお気に入りの一つだった。これも他のピアスと同様両耳分、二つで一対になって売られていたもので、花の下の茎の向きは一対並べると左右対称、つまり片耳にだけ着けるとどうにもバランスの悪いシロモノなのだった。髪を上げて耳を出す夏場にはそれを好んで着けていた。
一度だけそれを褒められたことがある。金髪の恩師、恩師と呼ぶにはあまりにもこちらの出来が悪すぎたが。わざとそうする、日本人らしいね、と言われて、そうなのか、と意外だった。