せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯

  • 焼いたしいたけ
  • 焼いたそら豆
  • 佃煮
  • ヱビス

さや3本分で97円。そら豆の小分け売りというのは、近所のスーパーで初の試みではないだろうか。いつも袋にいっぱい入って398円とか、さやを除去しちゃった中身だけパック詰めされてたりとか、自分にとってどうも食指の動きにくい売りかたであったのだが、今年のシーズン中ずっとこの形で売られたならば買い物のたびに手が伸びてしまうという由々しき事態になりかねない。俺はそら豆を多分二十歳も近くなるまで食べたことがなかった。というのも実家のマイマザーがそら豆を買わなかったからである。彼女に言わせると、彼女自身は小さい頃から豆類がとても苦手で、豆腐や大豆製品も子供に食べさせるために買うようになったということなのだが、しかし母親は煮豆や和菓子の餡子は大好きで、前者については真空パックになって売られている有名食品加工会社のものがどうしても気に入らず、自転車で30分のところにある隣町へ出かけていってはそこで毎朝炊いている五目豆やうぐいす、とら豆などを定期的に買い込んでくるのである。朝はトーストにたっぷりとマーガリンを塗りうぐいす豆をはさんで食べ、洗濯物を干し終えると煎茶を濃く入れてとら豆をつまみ、昼にはサッポロ一番塩ラーメンを食べ終わってから五目豆をつつき、と下手すると一日中豆を食べている。豆嫌いどころか豆狂いである。
そんなマイマザーだがなぜかそら豆だけはほとんど買ってくることがなかった。多分甘く煮て食う豆ではなかったからだ*1。彼女の夫、つまり俺のマイファーザーもビールのつまみとして好んだのは主にピーナツであり、夏にはそれが枝豆やひたし豆に代わるものの、そら豆については特に食べたいと言い出すことも自分で買ってくることもなかったし、子供たちにとってはそら豆という食い物の存在自体が未知の物体であり、もしくはマイマザーが買ってこない=うちの家計から考えるととてもじゃないけど手の届かない禁断の食品、つまり決して「これ食べたい」と言ってはいけないブツであると誤解されてきたのだった。
年齢がひとケタ台だった頃には空き地に生えているカラスノエンドウヤハズエンドウ - Wikipedia)の実を摘んで生のままぷちぷち食っていた俺だが、後に果たしたそら豆との出会いは衝撃的だった。だってとにかくでっかいんだもの。あと、皮が分厚いのでお得だと思った。あれ食べるよね。厚いけど薄皮。あれマヨつけて食べるとうまいよね。いや、さやの部分はさすがに食べないけど。さやを食べてる人とかいたら調理法を教えて欲しい。
そら豆は、さやごとコンロで焼くんだよ。ガスコンロで網焼きってのが一番いいのかなあ。破裂しないように包丁で切れ目を入れて、網の上をごろごろ転がしてゆっくり焼くの。若筍なんかも一緒に焼けるといいよね。まだ筍シーズンではないので俺は今日は椎茸をそら豆のお供にした。うまい焼き筍も食いたい。夜桜も見たい。一面のレンゲ畑も見たい。

*1:甘く煮て食う場合もあるが、八百屋で生のまま売られているそれは大体塩茹でなどに向いている