せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

二者択一ができないよ日記

寝巻きが買いたかったんですよ。今着てるやつの生地がもうずいぶん薄くなって、表面も毛玉だらけになってきたので。これ以上毛玉むしったら穴が開きそうで。
で、スーパーの衣料品売り場に行ったら、俺の買いたいような、フリースじゃなくて丸襟のプルオーバーのトレーナー上下みたいなのを探したんだけど、ほとんど種類置いてないの。でもそれ以上こだわりはないからいいや、この中から選ぼう、と思って改めてピックアップしてみると、前面にリラックマのプリントがバーンとはりついている、どう考えてもこの格好ではゴミ出しに行けないだろう、人目を避けて夜の明けないうちに行こうとしてうっかり階段で新聞配達の人とかに出くわしたら新聞屋は朝から嫌なものを見てしまったと嘆くであろうというようなファンシーなグレーの寝巻き(1900円)か、または何の変哲もない、オーソドックスな細い横縞の上着と紺色ズボンの寝巻き(1780円)の二択になってしまったんだよね。ほら、俺ってすげえ二択が苦手じゃん。2つのモノの間に立って、どっちを取ったらいいか真剣に考えて決め…ようとしてそのまま固まっちゃうんだよ。で最後にはそのままどちらも買わずに店を後にするというパターンなのねいつも。でも今日は買って帰らないと!という強い決意が珍しくあったわけね。なので何か決め手を探すわけですよ。
まず値段の違いね。リラックマ(1900円)とフツー横縞(1780円)。120円の違いを取ってここは経済的な方を選ぶべきではないか?そして120円で何かを買う。とはじめは思うのですが、ここで二択迷走思考が始まるわけです。その120円の差額を他へまわさずリラックマのついた方の寝巻きを手に入れたら、もしかして俺は、今は特に愛着を感じないにしてもいつかそのリラックマからしやわせ感を得ることができるのではないだろうか?例えば、心すさみ切った週末、朝起きぬけに寝巻きのままでビールを飲み始めてそのまま泥酔してじゅうたんの上で寝込んでふと目覚めてテレビでなんでも鑑定団の再放送が流れているのを眺めながら自己嫌悪に陥りそうになったときなどに、傍らの鏡に映った髪の毛ボサボサ、すっぴん、グタグタな己の姿を目にしたならば発作的にベランダから飛び降りて死にたくなるかもしれない。そんなとき鏡の中に癒しキャラとされているこのキャラクター、リラックマの姿があったらば、これは抑止力となりうるのではないか。そしてそれが120円で手に入るのならばコストパフォーマンスは無限大☆であるのでやはり俺はリラックマ寝巻きを買うべきだ。という風に、安い方を買おうと思った瞬間にそれを引き止める方向へ想像力が働き始めて止まらなくなり、いやそんなことあるわけないだろう、安い方買っとけよこの貧乏人が、とまた最初の意志へと自らを引き戻す思考も働いたりして、結局価格面から決定を下すことは困難になってしまう。
しょうがないから次の決め手候補ね。素材とかどう。だいたいこういう服は、ポリエステルと綿の混紡でできていてだね、俺はなんとなく綿が多いのがいいなあと思うのね。よし、それじゃあリラックマとフツー横縞、綿の割合が高い方を買おうではないか。と品質表示タグを見るとだね。まずはリラックマ。ポリエステル85%、綿15%。よしそれではフツーの横縞、と見るとこちらもポリエステル85%、綿15%。おいおいおいおい全く同じではないか。これでは決めようがない。
どちらが自分に似合うか、という点ではどうなのか。まずリラックマ。俺がリラックマ。どう考えてもおかしい。よろしい、ならばフツーの横縞寝巻きを着ようではないか。なにより無難である。いや待て、これはそもそも寝巻きであり、似合う似合わないという基準で考えるべきではないのではないか。むしろ昼間は絶対に着ないようなキャラクターグッズを身にまとい、夢という非日常の世界へ旅立つに相応しい準備を毎晩すべきであり、それならば俺はリラックマを買うべきではないかとも思える。がしかし、寝巻きでゴミ出しに行ったりベランダに出てベビーリーフに水をやったりする俺としてはリラックマはちょっと。だったら横縞なのか。しかし、この際外の空気に寝巻き姿を晒すという習慣自体をやめればいいのではないのか。それでは本格的に引きこもれというのか。
このような感じで二つの商品を手に持ったまま20分ぐらい固まっていた。笑わないで欲しい。本人にしてみれば真剣に悩んでいるのだ。しかし今日は絶対にどちらかに決める、という信念のもと、結局最後はリラックマを買ってしまった。これからは朝、ゴミを出したりベランダの鉢植えに水をやったりする際、きちんと寝巻きから着替えるか、上にジャージを羽織るようにせねばならない。
いや、別にこの際リラックマをエクスポーズしてもいいのではないか?寝ぼけた俺の見苦しい顔よりもプリントされたキャラクターに目が行って、むしろ目撃者の心が癒されるという可能性もゼロではないのではないか。