せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

北風と太陽

「今度のゲームはなかなかやりごたえがあるね、北風くん」
「そうだね太陽くん。前のようなシンプルなルールとは違うからね」
「わざわざ取り寄せてみた甲斐があったよ。といってもあまぞんでポチっとしただけだけど」
「それにしてもよくこんなレアなゲームを見つけたね、太陽くん」
「何千年やっても終わらない、なんてなかなか買い手もいないだろうね」
「ぼくらみたいなヒマ人しか買わないだろうね」
「難度も高いしねー、これはお子様には無理。あ、また増えた」
「うわー、くそう。そう来たか。まったく、こちらの予想のつかない結果が出るから困るよ」
「それが面白いんじゃないか。北風くんメソッドってよく逆効果になるよね」
「うん、でもよー。将棋と同じでこっちにも指しグセってのがあってさあ」
「将棋ってのは、ずいぶん前に持ち札の文化パラメーターにのっかってきたやつか?」
「そう。そっちの札でいうと“チェス”が似たようなもんじゃない?」
「こっちはもう、自分たちでプレイするんじゃなくて機械頭脳に考えさせるとこまで来てるよ。ほら、もう君より3コマも先に進んだよ」
「レベルはこっちも変わらんよ!ほら」
「おお、やるじゃないか。が、ほれ!“経済”とやらがお留守だよ!」
「うわああ、一本取られた!」
「ほらほらどうする?生存エナジーがじわじわ下がっていくぞー。個々の札の寿命が延びたからって安心しているからだぞー」
「うわああ、共食いが始まったよ!ちょっと助けてよ」
「やだね。そっちに回すほどの余力はないね。それにそっちだけで揉めてるうちにまた生命力が高まってくるかもしれないじゃないか。今こそ北風メソッドの使いどころじゃないのかい」
「冷たいなあ…太陽のくせに」
「うん。実は…飽きた」
「ああ?」
「もうそろそろよくないか?なんかきりがない」
「えー!やっと奴ら、フィールド保全って教えに染まりはじめたとこなんだよ?」
「うーん、でもやっぱ、飽きた」
「そっか」
「お開きにしようぜ、彼らが、自分たちの手でまだなんとかできると信じているうちに」