せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

読んでる

口語訳古事記 完全版

口語訳古事記 完全版

「万葉びとの『家族』誌」(asin:4062580853)を興味深く読んで、この人の本をもっと読んでみたいと思った。そんでもって、どんな人だか知らないけどどっかで立ち読みがてら見たような覚えのある名前だと思ってブックオフに行ったら思い出した。文藝春秋80周年記念出版とかで世に出た古事記口語訳本を書いた人だった。
あの時パラ見してなぜ買わなかったのかも思い出した。確かそんときは古墳の写真がてんこもりの古代史図説本を買おうとしていて、こっちの本も買ったら重くて持つのがかったるいから、とかそんな理由だった。次に来たとき買おうと思っていてそのまま忘れてしまったのだ。パラッとページを開いたら「〜じゃのう」「〜したのじゃった」という白ひげ白マユ毛伸び放題の古老の語り口調が目に飛び込んできてなんじゃこりゃー!こんなんありか!とものすごい衝撃を受けたような記憶がある。そう、単なる口語訳じゃないのだ。元の文にはない、その語り部の見解、聞き手への問いかけまでもが「補入」と注をつけられた上で挿しはさまれている。あくまでこの古老(=訳者)が語る古事記、であるからして、古代について知っておこうかな、という人が最初に手にする訳本にはもしかしたら向かないのかもしれない。でも、面白いんだよなー。