読み終えた。
古代日本のミルクロード―聖徳太子はチーズを食べたか (中公新書)
- 作者: 広野卓
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1995/04
- メディア: 新書
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この著者は、巻末略歴によると農学部を出ていて、専攻は酪農化学なのだそうだ。その専門知識を生かしつつ歴史のロマンを解明ですよ。すげえ。
で、いにしえの宮廷に上納するよう定められたりもしていた乳製品「蘇」の作り方も書いてあったりする。牛乳をひたすら煮つめる。固形っぽくなるまで練りながら煮つめる。「延喜式」に書かれた通りの分量を製造するにはさらに天日に干すなどして水気を乾かさないといかんらしい。水分が多く残ってしまった場合、都に近いとこから運ばれてくる分にはまだいいけども、遠方から来るものは品質が劣化してしまっていたりというトラブルもあったようだ。櫃ではなく、通気性のよい籠に入れて運ぶようにと言うお触れが出たりしていてほほえましい。あー、冷蔵設備なんて昔はなかったものなあ。
いずれまた読み返すことになりそうなので今日はとりあえずまとめ。
- 渡来した乳製品は滋養のある品で珍重されたが手間もかかる王族や貴族の食べものだった
- かれらの時代が終わるとともに大型家畜としては戦に使える馬の飼育が重視された
- 殺生を禁じる仏教思想の普及も、酪農の衰退に一役かったと思われる
三番目がよくわからんのだよなあ。殺生って殺すことだよな。戦でバンバン人殺すじゃん。人はよくて牛はだめなのか。あ、動物を殺して食うことがだめなのかな。殺したものを体内に入れるというのがだめなのか。このへんはよくわからんです。