- 作者: 広野卓
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鹿やイノシシの肉を「なます」にして食べたという記録が残っているそうなのだけれど、この「なます(膾)」というのは現代の「酢の物」という感覚とはまた違って、酢や醤で和えない、肉を細切りにしただけのものもそう呼んだのではないかと受け取れる。つまり刺身。現代において、たとえば鯵の身を細切りにしたものは「たたき」と称するけれども、それが昔でいう「なます」みたいなものだったのかなあ。
けもの系のものを生で食べることに抵抗がなかったのであれば、庭で鶏を飼っていてしょっちゅう新鮮な卵を手に入れられた人々の間では卵の生食も普通に行われていたんじゃないかなあ、なんて気にもなってくる。食べてましたか?卵かけごはん。
で、俺の超気になる意中の人物、軽皇子=孝徳天皇について意外な事実が判明。203ページから。
万葉びともミルクを飲みチーズを食べていた。といっても、多分、滋養強壮薬として摂取していたのである。それが確認できるのは『新撰姓氏録』で、それによると、孝徳天皇が朝鮮半島からの渡来人が搾ったミルクを飲んだと記されている。
いずれにせよ庶民が口にできるものではなかっただろうけれど、ミルクを飲用に供したり、チーズを作ったりという知識や技術を持つ一族が渡来したのは欽明天皇の頃らしい。その頃には日本に牛もいたのかな?それともちがう動物の乳?
古代日本のミルクロード―聖徳太子はチーズを食べたか (中公新書)
- 作者: 広野卓
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