せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

おもしろくなってきた

日本書紀の謎を解く―述作者は誰か (中公新書)

日本書紀の謎を解く―述作者は誰か (中公新書)

妙なたとえ話と妙な地図でノックダウン寸前だったゆうべの俺だが、読み進むにつれてなんか超おもしろくなってきた。といっても半分以上はちんぷんかんぷんなのだが、著者がこの課題、日本書紀の膨大な文章をいくつかに区分し、さらにその特徴を分析していくことによって書き手の性質を類推していくその過程が鮮やかで見ていてたまらなくワクワクするのだ。目の前の青竹をバサリと両断する、その手にした名刀の名前も由来もわからず、手筋を見極めることもできぬままきらめく刃先の光を見ているだけなのにその使い手の腕にすっかり魅了される。そんな感じなのかもしれない。学者の人はすごいなあ。
あと、なんでこの章でいきなり著者は自分の人生の折々を振り返るようなことを書いているのだろう、この人もしかして自分語りが好きな人なのかなあ、でもなんか面白いなあと研究内容とは関係ないところにもひかれた自分だが、これも著者がわざとやっていたことが判明。うわー、やるなあ。おかげで予想以上に文章というものについて考えさせられながら、ずんずんと読み終えてしまいそうだ。
あと、関連する文献として
日本語のリズム―四拍子文化論 (ちくま学芸文庫)

日本語のリズム―四拍子文化論 (ちくま学芸文庫)

これ読んどこ。