せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯と約30年という歳月

  • 鶏もも肉の漬け焼き
  • キャベツの千切り
  • プチトマト
  • きゅうりのぬか漬け(やや浅)
  • 麒麟淡麗

幼稚園に通っていた頃、一日置きの弁当の日には必ずキャベツの千切りが入っていた。薄切りのサラミソーセージも好物だったが、もも肉の漬け焼きが入っている日は殊更に楽しみだった。
醤油と酒を合わせ、生姜とにんにくをすりおろして加えたシンプルな漬けだれに肉を一晩浸しておいて、翌朝フライパンで焼いただけ。小麦粉をまぶして油で揚げれば冷めても美味しい唐揚になるが、朝の忙しい時間に油を使うのは手間だったのか、母親が弁当に入れてくれるのはたいてい唐揚ではなく漬け焼きの方だった。
昼食の時間になり弁当箱を開けてみると、香ばしく焼かれたもも肉から流れ出た肉汁がその下に敷かれたキャベツの千切りにまでしみわたっていて、キャベツの色は損なわれて見た目はあまり良くないのだが、噛み締めた時に味わえる肉の味と生姜にんにく醤油の香り、そしてしんなりとした中にわずかな歯ごたえを残すキャベツのコンビネーションは最強なのだった。いま、自分で作って食べていてもやっぱりその頃のことを思い出す。トムチャムゴロンタの絵柄がついた、水色の蓋の弁当箱だった。
ちなみに後年再び、しかも複数人分の弁当作りをすることになった母親はやがて冷凍食品の有効活用を覚え、朝から中華鍋で油をあたためコーンクリームコロッケやフライドポテトなどの揚げ物も弁当に入れるようになった。すると一晩漬けられたもも肉は今度はたいてい唐揚となって弁当箱に納められることになり、あのつけ焼きのたれがたっぷりしみた千切りキャベツにはぱったりとお目にかからなくなった。