超へんな夢みた。
どこか南欧の夜の街を歩いていて、素敵なバーのようなものを見つけた。入ってみると中はとても暗く、他の客もみな日本人で、古い映画を1本、小さなプロジェクターで白い壁に映し出していた。流れている青い画面は開拓時代のアメリカを舞台にしたラブロマンスらしいが、映画が終わると抱腹絶倒のNG場面集が流れはじめた。主演監督ジャッキー・チェンかよ!
それが終わるとバーも閉店になった。バーテンダーが出してくれるままにピンク色の発泡する液体を飲んでいた自分は空腹を覚えつつ外へ出た。すると南欧の街だと思っていた現在地は渋谷であり、自分がえんえんと、映画のセットのように外国の街を模して作りこまれたパルコの中を歩き回っていたことを知った。
俺は終電で帰らなくてはならない。そう思っていると一緒に映画を見ていた人たちが車に同乗しないかと誘ってくれた。彼女らを迎えにひとりの男性がやってきて白いライトバンに俺を乗せてくれたが、246号線をものすごい速さで、しかも蛇行運転してくれるので生きた心地がしない。聞けば彼女らは新人アイドルグループで、男性はそのマネージャーだというのだ。彼らは町田の小さな団地に住んでおり、マネージャーと意気投合した俺はその団地でしばらく暮らすことにした。
団地では夏祭りの準備が進んでいて、俺は小学生に盆踊りで叩く太鼓を教えた。その太鼓というのがとても不思議な形状をしていて、形も大きさもまるで500mlのペットボトルのようなのだ。バチのかわりに両手に一つずつ持って地面などを叩くと、それが太鼓の音を出す。子供たちが集団でその太鼓を持ち地面を叩くとけっこうな迫力である。
祭りの当日、だいぶうまくなった子供たちだが、何人かが神隠しにあっていて音が出揃わない。神隠しは特に珍しいことでもなく子供たちもすぐに帰ってくるんだそうで誰も気にしてはおらず、俺は1リットルペットボトルくらいの大きさの大人向け太鼓を、足りない音を補うように子供たちの演奏に合わせて鳴らしていた。
やがて祭りを仕切る団地の有力ヤクザの舎弟(20代でスキンヘッドで太っていていつもにこにこしている)が、祭りの締めのあいさつをお願いします!とこっちに振ってくる。そういうのは苦手なんでいいです、と逃げようとしたがどうも断れず、とうとうスピーチの内容を考え始めたところで目が覚めた。