へんな夢みた。
中学校の同級生が尋ねてきた。久しぶりだなあと思っていたのに挨拶もそこそこに、君のおかげで少し資金ができたから、これを元手に二人で金相場で当てないかとか言い出すので、自分は一切そういうのには向いていないから、そのお金は自分で好きなように突っ込むといいよ、と話すと彼女は笑顔で歩き出した。きっと自分ひとりの思いつきではなく、今の連れ合いに何か吹き込まれてきたのだろう。リアルでも結婚と離婚を何度も繰り返している彼女の生き方は、昔からそう変わっていない。
玄関の扉を閉めたあと、外から言い争う声が聞こえてきた。待たせていた連れ合いが何か文句を言ったらしい。同級生は、私だって家のことでいつもクタクタなんだから、と言い放ち、男の声は俺が朝から晩まで働いてお前を食わせているのに、と返し、でも日曜休みでしょ?と言い返されてキレていた。でも、俺の仕事とお前の家事を一緒にするな!というような怒り方はどうかなと思った。あんのじょう泥沼化していた。
俺はエスカレーターで二階の書斎へ行き、墨をすって「一事が万事こんなかんじ」と書をしたためた。濃い墨色で、書いていて気持ちが良いなあと思ったところで目が覚めた。