せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯

マイマザーは、料理にみりんを使う習慣がなかった。台所にはずっとみりんがなかった。もっとも慌しい子育てを終えて色々余裕ができた今では、彼女もバルサミコ紹興酒やらと一緒に、薄黄色いみりんの入った瓶を流しの下に常備している。
その家で作られる飯を食って育ち、その親に料理の仕方を教わって育ち、数年前にひとりで暮らしはじめた俺は、自分で好きなだけ好きなものを作って食べる生活になった今でも、みりんの使い方をいまだによく知らない。たまに肉じゃがなんかの煮物にたらしてみても、小さい頃から食べつけた味とはまた違うなにかが舌を賑わすのだが、それを美味というのかどうか、俺にはわからなかった。
しかし今日、鶏の照り焼きを作ってみたら、つやつやてりてりの一品が出来上がったので、ああなるほど、これか、艶のある食べ物はずいぶんとうまそうに見えるものだ、と感心したのだった。今度実家に帰ったら、早速これを作ってマイマザーに見せてやろう。いや、もう彼女はもうとっくにみりんのそんな効用は知っているに違いない。やめておこう。
栗原はるみのレシピを真似て作ったアボカドソースは、豆腐を入れすぎて味がまめまめしくなった。