- 作者: 福井晴敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/07/16
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: 講談社
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感想は、というと、自分にとっていい塩梅に楽しめる本だった、という一言に尽きる。短編や気楽に読めるエッセイ
この長さでも途中で読むのが嫌になって挫折してしまうということがなかったし、かといって話がこの先どうなるのか気になりすぎて我慢できずに徹夜で一気に読んで疲れてしまうということもなかった。話にぐいぐい引き込まれてはいるのだけれども、それが仕事中にも気になってしかたがない、というほどには後を引かない。それでも、短い昼休みにコーヒー屋の窓際に陣取り再びページをめくった瞬間に、また苛烈な闘いの場へと意識を浸入させることができるのだ。国を憂える前に自分の脳みその状態が心配な自分なので、今の日本の抱える矛盾とかそういうことに思いを馳せるところまで血がめぐらないわけなのだが、それでも純粋に楽しめた(楽しむという言葉はあんまり適当じゃないなあ……)。
ところどころ、セリフ回しがやけに青くさいような気がして「いや普通、不器用な性格してる若者や武骨な男がそういう言葉をとっさに言わないんじゃ」と心の中でツッコミを入れながら読んでいたのだが、巻末の解説にあった<もう青春時代ではない者たちの青春ドラマ>というフレーズを目にして、ストンと腑に落ちた。それならば、自分のツッコミは、ただの野暮としか言いようがないものであったのだ。
ところでこの小説、映画化されていた。もうすぐ公開。
http://aegis.goo.ne.jp/
文庫本の帯にもさんざん書いてあったにも関わらず、映画化されて公開間近だということに気づいていなかった自分のバカバカバカ。
だがお願いだ。そんなバカにも、一言だけ言わせてくれ。映画の配役でひとつだけ気になるのが、真田広之as仙石。個人的には先任伍長のビジュアルを、
と脳内で設定していたので、違和感あること限りない。あまりにも気になるので観にいってこようかとも思う。