ぼーっとしながら夕方からの自分の行動を振り返る。行きの電車の中では逃避のためか子供じみた空想ばかりが浮かび、それを頭の中でバカげてる、と罵倒しようと思ったけど、なんか別のところから「そっとしといておやりよ」という穏やかな声がしたのでちょっと優しい気分になって、やめた。いつもの自分は自分を嫌悪しつつ自分に甘いけれど、今日の自分は嫌悪しつつ自分に優しくなれた!甘いのと優しいのは違うぞ!やったー進歩した!全然意味のない進歩だが。
目的地に到着後、もうすべてカタをつけようと突如思い立ち、ワクワクした。だからその後、前回と全く同じ状況に陥っても、最後の斧を振り上げるのは自分だ、という安心感からか悠然と構えていられた。首根っこに突き立てるのだ。
しかし結局振り上げた斧は真剣白刃取りどころかマトリックス並みの柔軟な身のこなしによりあっさり回避され、自分は泣いていいのか笑っていいのかよくわからないままさらにぼーっとしながらその空間に身をゆだねるしかなくなった。結局何もドラマティックなことはなく、これからも望めないだろう。いや、きっと斧が重すぎて自分の手元が狂ったからいけないんだ。刃だってもっと鋭く鋭く、指先が触れただけですぱりと切れるほどに研いでおかなくてはいけなかったのだ。ああ失敗した。
帰ってきてからビデオを観ようと思っていた。涙の混じったヤケ酒をあおりながらバカ笑いをしようと思っていたのにまんまと留守録に失敗していた。踏んだり蹴ったりフゥー!