せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2025年もそこそこ適当に生きたい。

晩飯

鯵のなめろう、牛肉とブロッコリースプラウトのわさび醤油マヨネーズ和え、茄子の煮浸し、氷結グアバクーラー。
なめろうが食べたくて食べたくてしかたなく、西友でそんなに新鮮でもない鯵を一尾買って帰った。レジに並ぼうとしてカゴの中を見ると鯵一尾だけしか入っていなくて、でも普段はカゴの中身が別に187円の牛乳一本だけとか99円の食パン一斤だけでも何も気にせず精算に向かうというのに、今日はその、カゴの底にひとり横たわる鯵の目がさびしげに自分を見つめているようで、なんだかシュールな雰囲気で怖かったので、国産牛の切り落としとブロッコリースプラウトを手に取りカゴに放り込み、シュールな雰囲気をいつもの日常な雰囲気に変えてから、レジのお姉さんのところまで持っていった。
なめろうというのは、生魚の身を包丁で細かく叩き、生姜や紫蘇、葱などの薬味とともに味噌を練り込んだ漁師の料理だ。昔、房総方面に遊びに行ったときにそこらへんにあった食堂で初めてその存在を知り、気に入ったので後日自分で作ってみたところまたこれがうまくて(素材さえよければ、そして味噌の加減さえ間違わなければ別に調理の腕前なんて要らないからのような気がする)、それ以来新鮮な鯵を目の前にして、何を作ろうか、といえば、フライよりも塩焼きよりもこのなめろうが頭に浮かぶのだ。房総の人は、これをあわびの殻などに載せて焼けば「さんが」、氷水に浮かべてすすりながら食べるのは「水なます」と呼ぶらしい。(昔読んだ旅行ガイドの受け売り)
引っ越してきてからずっと、骨抜きが欲しいと思っていた。毛抜きが巨大になったようなもので、魚をおろすときにこれで身についている小骨を抜くのだ。去年の秋は秋刀魚を食べまくっていて、おろすたびにこの骨抜きがないことを不便に思っていたのに、いざ買い物に行くとそんな不便はすっかり忘れていて買いそびれてしまう。そしてまた秋刀魚の刺身を食べようというときに、しまった、また骨抜きを買うのを忘れた、と悔しい思いをするのである。何かをしていて不自由したときに買おうと思うのに、普段はそのことをすっかり忘れてしまう、誰にでもそういう経験はあると思うのだが、自分にとっては銀色に光る骨抜きがそれだった。
今日は鯵をさばこうと決めていて、骨抜きのこともしっかり覚えていたので、西友の2階へ上がって台所用品売場へまっすぐ向かった。貝印の骨抜きを手に取る。504円。微妙に躊躇して、さらに上階のダイソーへ行ってみたら、骨抜きはそこでも売られていた。もちろん105円。これを購入。
うちに帰って鯵をおろす。魚をさばくのは久しぶりで、とても楽しい思いをした。新鮮じゃない鯵でもさばくのは楽しくて、できあがったなめろうはうまかった。そして骨抜きはやはりとっても役に立った。骨抜きはとっても偉いと思った。