せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

帰宅

ちょっと一杯のつもりが泥酔。
ひと気のなくなった商店街を歩いていてふと見上げると煌々と明かりがついている。まるでヤシの木に実ったヤシの実のような球形のガラスのシェードの中に輝く白熱球がぶら下がっている。
酔ってぼんやりした目で道々に点在するそれを見つめながら歩く。薄汚れたスナックの外壁、台風で飛んでいきそうな木造の八百屋、錆びた看板、20年前に取り残されたようなさびれた街並みの中でそれだけが白く鋭く輝いていて、手に取ればすぐに自分をどこか遠くへ連れて行ってくれそうなほど、それは綺麗なのだが、あいにくそれを絵に描こうとすればスケッチブックにはなんだかよくわからないただのがらくたが現れるだろうし、なんとか奇跡的にそれが街灯であると判別できる出来であったとしても今自分がその街灯が放っている白い光に対して抱いた畏れのような感情はその絵を見る人には絶対に伝わらないだろう。
酔った頭と回らない舌で誰かに語ったところで一笑に付されるだけだろうし、こうして文字にしてみれば目立つのはただ夜中に千鳥足で上をぽかんと見上げながら帰ってくる滑稽な人間の独り言だけ。自分はなんて無力なんだろう、と思った。