せすにっき

日記。2019年1月にはてなダイアリーから引っ越しました。2024年もそこそこ適当に生きたい。

ビデオその1

アリーテ姫 [DVD]

アリーテ姫 [DVD]

ビデオといいつつパッケージの画像がなかったのでDVDのASINを引っ張ってきた。城の高い塔に半ば閉じ込められたような日々を送っていた姫を待ち受ける冒険。
はるか昔に魔法使いたちが造り出しやがて世界中に散らばった宝物を、姫の婿選びという名目で集めさせる大臣たち。その威光を利用されているだけの年老いた王。塔から見える人々の暮らしに思いを馳せながら自分の存在を疑問に思いつづける姫。偶然に出会った本物の魔女の生き残りは姫に「人の一生に意味なんてあると、まだ思っているのかね」という言葉を残す。
やがて、姫を娶ると現れた別の魔法使いが、まやかし同然の術を姫にかけ、まんまと姫を妻として自分の住処へ連れ去り、地下室に幽閉してしまう。
心をも縛るその術のため、姫ははじめ、ただ誰かの助けを待っているだけだったのだが、あの時の魔女の言葉を思い出して……というストーリー。
もっと荒唐無稽なアドベンチャーストーリーだと思っていたけれどそうでもなく、見終えたときには「え?この話で2時間近く経ってるの?」というのが第一の感想だった。1h40mほどのファンタジー。一番カタルシスを感じたのは姫が自分で心にかかった魔法を解いて元の姿に戻るところ。そこから先はわくわくというより心にしみた。ただ歳を取っただけで実は未熟である魔法使いの化けの皮はかなり早いうちからはがれていたけれど、後半では彼の心の中のぐだぐだが、先に「解き放たれてしまった」姫の活躍よりも、観ている人に迫ってくる。
たいしたものでもない、と自身が断ずる魔法の時代の残滓を頼りにし、それでもなお自分は周りの人間とは違う存在であると信じて生き延びるしかない魔法使いは、赤ん坊のような万能感を捨てきれずに成長してしまったひとりぼっちの人間を象徴している。姫に言われるままに自分が過ごした幸せな海辺のひとときを思い出す彼の脳裏に蘇るのは、自分を優しく抱きとめる母の姿であり、裸のままではしゃぎながら波をよけて駆ける幼い自分の姿だった。